フィールドの枷
バスのフィッシュイーターという性質は、70年を超えるバス釣りの歴史の中で変わることはない。しかし、フィールドの状態というのは変化し、バスの振舞いは変わっていく。
フィールドの変化として顕著なもののひとつに、”食物連鎖の安定”がある。湖の頂点に位置付けられるバスは、流入当初はベイトフィッシュと拮抗するほど増えていく。この時期は、慢性的なエサ不足となり、ルアーへの反応は良くなる。いわゆる秘境といわれる状態といえる。
しかし、自然界はそのバランスを整えようとし、必然的にバスの個体数は減り、食物連鎖のピラミッドを形成していく。バスの個体数が減り、”まぐれ”の機会が失われていき、”難しい”フィールドとなっていく。
もうひとつの要因は、ベイトフィシュの変化。ブルーギルの減少やワカサギの流入は、バスの捕食行動に変化をもたらす。具体的には、付く場所や捕食のタイミングが変わる、といえる。こうした変化は、釣れ方の変化で実感することができる。
昔よかった場所や方法。その反応に翳りを感じたとき、これまでのスタイルの変化を試みる機会かもしれない。通いなれたフィールドであるからこその枷。それを外すことができたとき、大きくステップアップすることができるといえる。