詩)都築郷士『ぶうつく』呟きの如く・28 附・詩人の為の秋冬ワードローブ集
アンジェルは身を起こして鋸をおいた。精神科医に手を差し出した。
「どうですか」と、彼は言った。「あなたの忠告にしたがってますよ」
「船ですか?」(中略)
「じゃあ、筏をお作りなさい」と、ジャックモールは言った。「それなら四角です。ずっと簡単ですよ」(中略)
「水彩画みたいなもんですね」と、ジャックモールは言った。
「水彩画みたいなもんです」 -『心臓抜き』ボリス·ヴィアン
※
灼熱の釜が彼女の安寧に 郷士
※
【手続き地獄】
なんでこんなことに並ぶ!
なんでかなー
些事にみえるが
勝手にしてくれ
ジャイアンツの原監督
腹膨れてきた、ゾ
原の腹
書肆風の薔薇
薔薇野ばら
あら綺麗なオチねー、
勝手。好き。
©都築郷士
※
島尾さん島尻さんとごつつんこ 郷士
とろりとする薬クス嚥んでとろりする己の瞼は閉ずよ一日の後
(©都築郷士)
※
【十月露地物西瓜】
そこはごくフツーの八百屋だつたけれど
店頭に大玉の西瓜が売られてゐるのが出色
どうせ中身はすかすかなんだらう
シャブにやられた脳髄のやうに
どうしてか知らぬが
老母はそいつを買つてきた
吝嗇な母がねー、で
早速断ち割る お味はー?
やつぱりすかすかだ!でも冷蔵庫に入れとけば
すかすかなりに
蒸す秋 と言ふアンビヴァレントな
變季節に、僅かばかりの叛擊できる!✨
と思つてたら急に
釣瓶落としのシーズンにイン あーあ
どつぼ。
©都築郷士
濡れてるうちが花なのよ
十月秋雨前線
秋津の生死赤の退色度を診れば 郷士
アデューでーす。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?