●扉

私が、言ふを知らず
讀んで許りゐた頃
誰かゞちりんちりん
自転車で追ひ抜いて行つた
爽やかな
負けであつた
それは
出逢ひ?だつたのかな?
私が、自意識に溺れ
客観的に己れを見るすべ
を、失つてゐたとき
誰もゐない筈の部屋から
誰かゞがちやり
ドアを開けて。

©都築郷士

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