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詩)都築郷士『ぶうつく』呟きの如く・24 附・詩人の為の秋冬ワードローブ集

アリスタ·レコードを離れて一区切りを迎えた彼はしばらく休養を取ることに(中略)そしてクインとの出会いはしばらく遠ざかつてゐたロックンロールにおけるギターの重要性をルーの中に蘇らせた。(ブルー·マスク / ルー·リード) 石川真一

レコード・コレクター誌 2003年・No.6より。
クイン→ロバート·クワイン
ルーの中に..→ルーの意識の中に..

秋海棠氣づけば「だらけ」で吐氣少し 郷士

【愛 pt.2】

愛する人など君にはゐるのか
それは肌への馴れ合ひと違ふのか
究極の戀とは片戀の謂ひだと
古書にはあり私は黙モダしてしまふ -

だが、「こちら」から無尽蔵の愛の
キイを誰かに渡すことなど
果たして出來るのか そしてそれは
「こちら」の押し付けとなつてはゐないか -

そんな理屈臭い多弁が戀だつたら
弁論部出の奴が勝ち取るよ、愛、
ばつかみたい さう、バカだ
都の西北早稲田の隣りさ!

©都築郷士

三文判よくいふ捺印信仰は廃れゆくさなかであるその当然
(©都築郷士)

【慾動】

「お母さんは、いまゐません」
子供が、母を守らうと
してゐるのだ 健気と云ふより
獨占慾 - か、と己は
ミスターイトウのバタークッキーを
車に置いてあつたのを
思ひ出し
ロイミティの缶でも買つて車中
一眠りしやう
駐車料金は必要経費だ
どうせ
「お前も都會のネズミか..」
己の口癖を鼻唄に
少し、待ちをかまさう
とした。(断章)

©都築郷士

ハーゲンダッツ凌ぐカップのラクトアイスあいつが見つけた!とはしやぐ目に見ゆ
(©都築郷士)

私にとつて作詩は日課である。駄作でも一日一篇は書く。それぢや藝術と言ふ慾動から外れ..との自意識が、片や、の「慾動」を生んだ。「愛~」は餓鬼臭いが真面目なので自作としては好きな物である。寝てばかり(服薬の副作用)の夕方にこれらの文字列をマッシュするのだ。

秋風や身方が原の大根畑 井月

井月さんを謡して身を引き締めて行かう。アデュー。

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