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【配球論】阪神-Dena4回戦ソト選手のサヨナラホームランー2022年4月20日

はじめに 

プロ野球2022年シーズンは、新庄監督が話題の中で、阪神は4月19日時点で3勝17敗1分と出遅れが鮮明である。ヤクルトファンの私もついつい阪神は今日こそ勝てるのだろうか?と阪神の試合を見てしまうほどである。
2022年4月20日阪神-Dena4回戦を見たので私なりの考察を書きたい。

試合内容

本日は2022年4月20日阪神-Dena4回戦は、横浜スタジアムで行われた。阪神は小川投手、Denaは東投手の先発で始まり、両投手7回を無失点の好投で0-0でマウンドを降りた。その後阪神は湯浅投手、アルカンタラ投手が1イニングづつを投げて無失点。Denaは伊勢投手、エスコバー投手、三嶋投手が続き無失点。9回を終わった0-0の試合は延長戦へ突入する。
10回の表、Denaは2イニングス目の三嶋投手がヒット1本を許すものの、3つの三振を奪い無失点で抑える。
10回の裏阪神は浜地投手をマウンドに送り出す。先頭はソト選手。
ソト選手はこの日2打数ノーヒット。1四球。
カウント2ストライク1ボールから真ん中高めに外したストレートをソト選手がライトスタンドへホームランを放ち、サヨナラホームランでDenaが勝利をおさめた。今日はこの場面について考察をしていきたい。

引用:ソト選手のホームランシーン
https://twitter.com/yokosizu0110/status/1516755111795920916?s=21&t=TqFyEMbUAejuZCFNYfAlVw

ソト選手への配球

ソト選手に対しての配球はどのようなものだったかを振り返りたい。
1球目:カーブ 124キロ ボール
2球目:カットボール 134キロ ストライク
3球目:ストレート 146キロ ファール
4球目:ストレート 146キロ ホームラン

引用元:スポーツナビ

配球の評価

この配球の結果はホームランとなったので、評価としては失敗となる。
では、この配球は結果論で失敗なのだろうか?それともこの配球は結果論ではなく、考え方として間違ってると言えるのだろうか?
結論だけ書くと、私は結果論ではなく、この配球は考え方として誤っているため、バッテリーのミスであると考えている。

配球の考察の前提

配球のことについて話をすると選手を批判していると捉えられかねないことは重々承知している。そして、私は梅野捕手も素晴らしい捕手だと思うし、阪神も大好きである。当然ホームランを打ったソト選手も素晴らしいし、Denaというチームも大好きである。
そして配球に100点はない。その中で私なりに最善の配球だったのか、策だったのかを考察しているものであり、この1回の配球によって他の素晴らしいプレーが消えるものではない。私のような素人の配球論として、各選手にリスペクトの気持ちを持ちながら書いていることをご理解いただきたい。

梅野捕手の狙いは?

このソトに対する配球は間違いである理由を説明する前に、皆さんはこの配球にどのように考えるのであろうか?
私がこの配球で一番考えたのは、梅野捕手がどう考えた配球なのかをなるべく梅野捕手の気持ちになって考えようとした。
3球目のストレートに対してソト選手はやや振り遅れてバックネット裏〜1塁ベンチの間にファールを打っている。そのことからもストレートに振り遅れているという感触を梅野捕手がもったのは間違いではないと思う。
そこで梅野捕手は真ん中高めに要求したことから、空振り狙いだったのではないだろうかと考えられる。もしくはポップフライ狙いだろうか。少なくとも真ん中高めに外す場合、あわよくば振ってくれて三振して欲しいという場面が多いのではないだろうか。

配球論ーこの配球がなぜ間違いなのか?

さて、ここから本題に入るが、私がこの配球を結果論ではなく誤りであると考える理由は、一言でいうとリスク管理能力がない配球だからである。
この場面、ホームランが出ればサヨナラの場面で、外国人のソト選手。リスク管理としては、長打警戒、ホームランは絶対に避けるべき場面である。
ところが上に書いた通り、真ん中高めに要求するのは、空振りを狙う、もしくはポップフライなどの楽観的シナリオによる配球である。
私はこの場面において、最悪のシナリオを想定して、ホームランを絶対に打たれない配球をすべきであると考える。データ上ソト選手が真ん中高めのボール球が弱いというデータが出ていたとしても、万が一長打になる高さのボールを選択すること自体が間違いであると考える。
これは結果論ではなく、考え方として、最悪のシナリオを前提に配球を組み立てていたとしたら、選択されないボールである。最悪のシナリオであるホームランを避けることを前提として、2ストライク1ボールというカウントでもっともホームランを打たれにくいコースはアウトローではないだろうか?そもそもストライクを投げる必要がないカウントであれば変化球をボールにすることがリスクとして一番低いのではないかと考える。

配球論ーもう少し詳細に考えていこう

2021年ソト選手のコース別成績はこちら。
引用元:https://baseballdata.jp/2021/playerB/1700020_course.html

この成績から分かる通り真ん中高めのコースは打率.154だが2本ホームランがあることから決してホームランにならないコースではない。一方で外のボール球、低めのボール球は真ん中から外のコースであればホームランはないことが分かる。

配球論ー今回の配球が誤りである点

今回のシチュエーションである10回の裏0-0でバッターがソトという外国人のホームランバッターである場合に、下記を前提に考える。
<場面>
・ホームランだけはダメな場面
・次に長打を警戒する場面
上述したが、場面として長打警戒において、真ん中高めのストレートはリスクが高いため、この場面で選択すべきではない。

<状況>
・2ストライク1ボールという投手有利なカウントである
・1,2球目の変化球には全く手を出すそぶりをしていない。
・3球目に真ん中高めストレートファールしてる
状況として投手有利なカウントでストライクを投げる必要はない。その中で1球前のストレートに振り遅れていることから打者はストレートへの意識が少なからずあると想像できる。確かにストレートに振り遅れているので、場面によってはインコースのストレートなどもう少しストレートで押したくなる捕手の気持ちもわかる。実際ボール球を要求しているので、カウントとしてボール球を使う考え方も決して間違っていないと考えられる。

<セオリー>
・外国人に裏の裏はになるのがセオリー
・もっともホームランが出にくいのはアウトロー
私は外国人に対して裏をかいたストレートは間違いだと思う。今回の浜地投手の場合146キロくらいのストレートでストレートが絶対的な速さのボールではない。その中で2ストライク1ボールでセオリーは変化球のボールになる球である。しかし3球目のストレートを振り遅れたことから裏をかいてストレートを投げてホームランになった。この「場面」を前提に考えていれば、裏をかいたストレートは適切でないことはお分りいただけるだろう。そして裏の裏は外国人バッターには表になって打たれることが多い。裏を書かずにセオリー通り変化球のボール球を投げるべきだったと思う。仮に変化球のボール球を全て見逃してフォワーボールでもホームランを打たれるよりいいという割り切りも必要だったと考える。

最後に

おそらくここに書いてあることなど梅野捕手が一番よくわかっているし、それを考えた上で、あえて真ん中高めのボール球のストレートを要求したのだと思う。最後に私はフォワーボールでもいいという割り切りも必要、と書いたが、場面として私はリスクが低い選択をすべき場面だったと考える。その中でリスクが低い選択として今回の配球は結果論としてではなく、確率上の選択肢の中では誤りだったのではないかと考えたので、今日はこのnoteに書いてみた。ぜひ、皆さんのご意見も伺いたい。

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