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【少年野球】近い将来「試合数制限」がルール化されるだろう

 地域に根ざす普通の少年野球(学童野球)チームに入団し、その試合数の多さに驚いた親子は多いだろう。
 もちろんチーム状況にもよるだろうが、雨で試合が延期になったりして試合スケジュールがずれ込み、結果トリプルヘッダー(一日に3試合)をこなすチームもある。

 そうした試合過多が何を引き起こすかと言えば、まずピッチャーの酷使だ。それぞれの大会の球数制限を守ったとしても、3試合が別の大会となると球数総数はチーム関係者にしか分からない。
 またあちこちの会場を行ったり来たりする遠征費(駐車場代・ガソリン代)もバカにならなくなってくる。
 そして「どの試合も捨てたくない、勝ちたい」となると、レギュラーの子とベンチの子の格差がどんどん開いていく。レギュラーの子はくたくただが試合に出続けるので上達する。しかしずっとベンチの子は試合に帯同するだけで練習もままならず、タイパの悪い時間をひたすら過ごすことになる。
 もちろん、監督がベンチの子とうまく入れ替えて3試合をこなすことが出来ればまだマシだが、私が見る限り外野を少し入れ替える程度で主力を変えない(人数的に変えられない)チームが多い印象だ。

 ちょっと考えただけでもこれだけデメリットがあるのに、大人たちの「勝ちたい」という欲はどうしても「たくさんの大会にエントリーする」という方向に行ってしまう。早々に負けて試合が何もない期間を過ごすのが怖いのか、それとも「数打ちゃ当たる」という理論なのか。

 ともかく、球数制限がルール化されてそれなりに浸透したのは、結局大人が自分たちで「勝ちたい」という欲に歯止めを効かせることが出来なかったからだ。ルール化して強制するしか方法がなかったということだ。

 であるならば、試合数も制限するしかない。
「ダブルヘッダー禁止」で統一し、それを破ったら不戦敗。
雨で試合がずれ込んだりすると試合の調整は多少難しくなるだろうが仕方がない。また、強いチームはどうしても試合数が増えるので「棄権」することも多くなるだろうが、強いチームが棄権すれば弱いチームにもチャンスがめぐってくるから返って面白くなる。
 
 すでに試合数制限をやってる地域もあるので、是非連盟はメリット、デメリット、問題点等をヒアリングしてルール化に向けて動いて欲しいと思う。

 大人たちの「勝ちたい」という欲は際限がない。
 近い将来「一試合でベンチの選手を必ず一回試合に出すこと」など、少年野球(学童野球)は細かいルールだらけになるだろうが、それは自業自得だ。大人たちが欲に負けて、本来の主役である子どもたちをないがしろにしたツケである。

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