ジェバレコーヒー廃業のご報告と、今後について

こんにちは。勝裕 遼です。
バタバタとしているうちに年末になり、noteを書くのがかなり久しぶりになってしまいました。
今日は大事なお知らせをするために、このnoteを書いています。

その前に、軽く僕の自己紹介をしておきます。
このnoteは、僕以外を通じてジェバレコーヒーを知ってくださった方も、読んでくださっているかもしれないので…。

今はジェバレコーヒーの代表をしています。
2021年からジェバレコーヒーをやっているのですが、実はその前の2019年にウガンダ渡航経験があって、ジェバレのコーヒーを栽培してくださっている農家さんたちの一部とはそのときにお会いしています。
今年の2-3月にもウガンダに行ってきて、農家さんたちと会い、普段の生活について聞いたり、日本のお客さまたちの声を届けたりしてきました。


ジェバレコーヒーを廃業することになりました。

そして、ここから大事なお知らせです。
急にはなってしまうんですが…。
この度、ジェバレコーヒーを廃業することとなりました。

急なことで、驚かせてしまったかもしれません。申し訳ありません。

簡単に、この結論に至った経緯を記載します。
今年の2-3月にウガンダに渡航していた際、実は次回のコーヒー豆の輸入に向けた話し合いも行っていました。65世帯の農家さんたちからコーヒー豆を集めて、輸出手続きを行ってくれている現地の会社があるので、その会社と手続き面の打ち合わせを行いました。
その時点ではまだ日本に在庫があったので、滞在期間中に輸入手続きを行うことはなかったのですが、8月頃には200kg前後のコーヒー豆を輸入する話になっていました。
帰国後は書類や金銭面の手続きを進め、順調に輸入できるかと思っていました。

ただし、約束していた8月になっても、コーヒー豆は到着せず。9月も、10月も、11月も、そして12月現在もコーヒー豆は届いていません。
それどころか、こちらからの連絡に対する返信も返ってこなくなってしまいました。
ただ、ずっと待ち続けていてもキリがありません。日が経つごとに無事に輸入できる見込みは薄くなっていくのに、お客さんには「今手続き中で…。届いたらご連絡します!」と言うしかない。まるで嘘をついているようで、自分の中の罪悪感がどんどん膨らんでいきました。そして何より、現地で輸出手続きを行ってくれている会社に対して、自分自身が信頼できなくなっていってしまいました。
仮に今後輸入ができたとしても、こんな状態では胸を張ってお客さんに販売できないし、事業を続けていくことはできない。そう思い、廃業を決断しました。

これまで応援してくださった全ての方々へ

突然の報告で、驚かれてしまったかもしれません。本当に申し訳ありません。
そして、今までジェバレコーヒーを応援してくださり、本当にありがとうございました。

いつも購入してくださるお客さま、ジェバレのコーヒー豆を取り扱ってくださっていたカフェの方、イベント出店時によくお会いする方々など…。本当にたくさんの温かい方々に囲まれていたおかげで、ここまで約2年間、走り抜けてこられたと思っています。
1,2回くらいしかお会いできていない方も、何回もお会いしている方もいるけれど、そんな回数に関係なく、1人1人から本当にたくさんのエネルギーをもらっていました。「美味しかったです!」「頑張ってください!」の一言が、自分にとって本当に大きかったし、ウガンダの農家さんたちにとってもすごく大きかったと思います。
皆さんがいなければ、ジェバレコーヒーは成り立っていませんでした。本当は1人1人に直接顔を見てお礼を言いに行きたいくらい、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。


今後について考えていること

ここからは、かなり個人的な話になってしまいますが。
今回の事態が起こってしまった原因をもう少し考えてみて、今後の決意表明もしてみたいと思います。

表面的には、ウガンダ側の輸出業者と連絡が取れなくなってしまったことが原因ですが…。
もう少し掘り下げて考えてみると、自分にもまだまだできることはあったんだろうなと思うのです。

ビジネス以上の関係性を構築できるだけの英語力があれば、より相手と信頼関係を築けたかもしれない。
爆発的に売り上げを伸ばせるだけの論理的思考力・マーケティング力があれば、相手からももっと期待してもらえていたかもしれない。
そうすれば、今回のように音信不通になることはなかったかもしれません。

そして、そもそも僕が日本にいながらこの事業を行っていたことに問題があったのかもしれません。
ウガンダに長期駐在していれば、相手とのコミュニケーション量は大きく増えるし、そもそも輸出手続きは自分で行える。
今回の問題が発生してからでも、すぐウガンダに飛び立てばなんとかできたかもしれない。
その決断ができなかったのは、ひとえに自分の覚悟不足です。
たくさん迷いました。でも、普通に大学院を卒業して、やりたいことを目いっぱいやらせてもらえるところに就職する道を、どうしても捨てきれませんでした。
この程度の覚悟では、どっちみち事業は続けられなかったのかもしれません。

ただ、やっぱりめちゃくちゃ悔しいんです。
大変なこともたくさんあったけど、これから可能性を感じる動きも出てきたところだったし。
新しく開発したワークショップは、神戸と大阪で2回開催してどちらも好評で、教育現場への進出も狙っていました。
10月には大阪の本町で週2の間借りカフェを開業予定で、より農家さんを身近に感じてもらえる場所にしようとたくさん準備していました。

だから、本当に廃業してしまっていいのか、めちゃくちゃ悩みました。
相手の方を信頼できなくなってしまった以上、廃業するしかないのは自分自身が一番分かっていたはずなのに。
その選択肢を取るのが怖くて、毎日吐きそうでした。

だから、ジェバレコーヒーが廃業してしまっても、まだまだ挑戦は続けていこうと思っています。

そもそもジェバレコーヒーを通じて僕が一番やりたかったことは、美味しいコーヒーを販売することではなくて、「農家さんとお客さまの間に『手触り感のある繋がり』を作り出すことなんです。
「遠い国のコーヒー農家さん」ではなくて「こんな素敵なところがある〇〇さん」という認識で結ばれているような関係性。

僕がウガンダで出会ったコーヒー農家さんたちは、毎日「こんなことがあって嬉しかった」「こんなことがあって悲しかった」という感情を抱きながら生きていて、友達や家族のことをものすごく大切にしていて、1人1人に違ったよさがあった。
その点では、自分と何1つ変わらなかった。
そのことに気づいたときに、自分の中での農家さんに対する認識が「アフリカに住んでいる貧しい人たち」から「こんな素敵なところがある〇〇さん」にアップデートされたような気がしたんです。
普段一緒に過ごしている友達に対する認識と、ウガンダの農家さんたちに対する認識が同じようなものになった。

そして、その認識を日本に帰ってから広めたいと思った。
お客さまにとって農家さんたちが友達のような存在になれば、国際協力業界への関係人口も増やしていけるし、それが国際協力のあるべき姿なんじゃないかと感じたから。
コーヒーは、そのための手段の1つという位置づけでした。

だから、ジェバレコーヒーの廃業は、仮説が1つ外れただけです。
人生は仮説検証の繰り返し。また仮説を立てて、地道に検証を繰り返しながら、「国際協力をもっと身近なものにする」という目標に向かって頑張っていこうと思っています。
でもまずは、今回で自分に足りない能力がめちゃくちゃ明確になったから、それを身につけるところからかな…。

すぐには形にできないかもしれないですが、お世話になった皆さんにまたいい報告ができるように、精一杯生きていきます。

「気づいたら国際協力していた」っていうくらい、仕事以外の国際協力との関わり方が増えて、国際協力が日常的なものになったらいいな。

まだまだ楽しみながら頑張っていくつもりなので、引き続き見守っていていただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします!

改めて、これまでジェバレコーヒーに関わってくださり、愛を注いでくださった全ての皆さま。
本当に本当に、ありがとうございました。


ジェバレコーヒー
勝裕 遼

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?