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一番大事な同期がウツになった。

「からだの ふるえが とまらないの
ごめんね、 こんな話」



早朝4時、たまたま目が覚めた私が最初に見たLINE。1週間前に相談を受けた時にはまだ多少自制できる範囲の話で、辛くて職場で泣いてしまうことは私にもあったし、原因も色んなプロジェクトに追われてキャパオーバーになっているって、彼女、ちゃんと自覚していた。私はその気持ちわかるよ、あなたが人一倍頑張り屋さんなのはよくわかってるけど、明日上司に話して、業務量調整してもらおうって言って、うんそうだね言ってみるって、最後は笑って別れたのに。


なのに、何でこうなった?
誰が彼女をこんな風にしてしまった?


彼女とは入社前から2人でご飯に行ったり、
入社後もお互いの家を行き来してご飯を作ったり作られたり、お誕生日をお祝いしたりしていた。

彼女はとにかく人を喜ばせるのが好きで、私は買ってきたお惣菜とかで出迎えるのに、彼女の家に行くとそれは手の込んだ料理が必ず並んでいるのだった。(夜は名前の覚えられないオシャレなスペイン料理からデザートとワインまで、翌朝台所のトントントンっ…という心地よい音で目覚めると、目の前には一汁三菜が並んでいるという、まさに「男の夢」的な、あれ新婚生活かな?と錯覚するような待遇だった)


私が苦手な"おひとり様"(一人旅、一人飲みみたいな事)を得意として、経験話も豊富かつユニーク。その気遣いと酒豪っぷりで会社のおじさまにも可愛がられていた。ももクロで例えるなら有安杏果のような、センターでは無いけれど独自の魅力を発揮してディープなファンがいるタイプ。


自分に無い長所をたくさん持っている彼女を尊敬しているし、仕事なんてつながりがなくても仲良くしたいと思っている。もはや同期よりも友達、の方が正しい言葉選びかもしれない。

その彼女が、ウツになった。
私とご飯を食べている間はちゃんと話ができる。お酒も飲めるし冗談も言える。自分の状態も冷静に分析できている。それでも仕事の事を考えるだけで手が震え、職場に行くだけで、足がすくみ立っていられなくなるという。

なんでこうなってしまったのか? 

偶然大好きなおひとり様ができなくなって、偶然仕事量やプレッシャーが増えて、偶然気付ける人がそばにいなくて、偶然彼女自身まだやれると思っていて、、
とにかく色んな偶然の積み重ねで起こったんだろうと思う。だって彼女自身も含めた誰もが、まさかこんなことになると思っていなかったんだから。



昨日、彼女とご飯に行った。
「休職することに決めたんだ」笑顔で彼女は言った。

それでいい。そうするべきだ、と思う。
ゆっくり休んで、出来るだけ仕事と離れて、やりたい事を思い切りしたらいいと思う。



彼女がいない間、私は彼女の回復を切に祈りながら、心のどこかでずっとモヤモヤし続けるんだろう。答えのない問いを自分にし続けながら。


私に何ができたのか、と。

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