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家主のファン#3

(石蛙、家主のニューアルバム『石のような自由』を語る)

石蛙

高田渡以来の石推しアルバム爆誕!

岸政彦の『断片的なものの社会学』から着想を得てつくられたと言う家主の『それだけ』。そのどちらでもフィーチャーされていた石の存在がここまで大きくてなるなんて、石も想像だにしなかった未来だろう。

『庭と雨』意表を突かれすぎて声が出た。アルバムを通して聴くことの喜びここにあり。3曲目にして満たされまくられ部屋の中から退場(外出)しそうになる。しかし思いっきしパジャマだし、今浴びたい夜風のイメージは5月なので寒すぎて断念。布団の上でジタバタするにとどまった。

『Dreamy(再録)』のギターがビーンてなる(原曲はポーンだった)とこ最高。ハイハットのアクセントとイントロアウトロのリフ最高。音の粒が頭のなかでピカピカ光ってホーリーな気持ちにさせてくれる冬の歌(と勝手に思っている)。『マイグラント』が春を、『夏の道路端』が夏を感じさせてくれるように、季節に敏感でいたい我々の端緒を開く谷江氏の曲を今日から「桜前線」と呼ぶことにする。

心の校歌と呼び声高い『ひとりとひとり』"人はいつでもどこにいても、ひとりとひとりが集まっているだけだろ?"私はこの歌詞に(石蛙だが)何度も何度も何度も救われた。『耐えることに慣れすぎている!』全ての展開で泣きそうになる。なにもかもが好きすぎて今はただ「ヤバい」としか言えない。『free as a stone』湧水の如く溢れ出した音色が地表を流れ海に出るかと思いきや濁流にのまれ暗渠へ…的な終わり方がこれぞ家主。個人的にはこのアルバムの中で最も家主を浴びることのできる一曲のように思う。

田中ヤコブソロ作品として世に出ていた『今日はひとりでいようね』"クズばかりが報われる世の中でも 僕は君を信じてるよ!"諦めの地肩が強すぎて、椅子に浅く腰掛けた状態からいきなり撃たれる右ストレートを避けることができない。近道?オレ行かねえよと一人迷路のような道を行く、真っ直ぐ進めば外に出られるところで踵を返すメロディラインはもはや王道である。アッパーに捻れる。私はそんな田中ヤコブの芸風に魅せられている。

そしてマイペースに生み出される田中(悠平)氏の名曲を思うとき、"幸せは途切れながらも続くのです”と歌うスピッツの歌詞が心の中に浮かぶのです。

行きたいとこへ、行けたらいいね。

ここにいてくれてありがとう!

石蛙より🐸🪨💭🆓

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