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古生物専門家お墨付きのアンモナイト画法!!学術論文付きという徹底ぶり!!作品を通じて環境問題を考える黒川ひゅうさんにインタビューしました。

作者:黒川ひゅう
インタビュアー:たけ

~質問~
★好きな動物は何ですか?
→猫、マヌルネコ、ヤギ、メガマウスザメ、カグラザメ、ヘビ、ナミアゲハの5齢幼虫、ハルキゲニア(化石が小さくて可愛い!)など、色々な生き物が大好きです!

★今は絶滅してしまったアンモナイトがインクで殻に模様を描いていたり、かわいいピンクの宇宙人とUFOなどポップで不思議な世界観ですが、そこに社会問題や世の中に対する風刺のようなものを感じたのですが、どうしてこのような不思議な世界観の絵になったのですか?
→メッセージ性を意識しているというよりは、単純に好きなものや思い付いたものを割と気楽に描いています!ただ、背景として、中学生の頃に環境問題を特集した雑誌を購読していて、「人間を中心にした人間目線の社会」だけではない、もっと広い視点で物事を見なければならないという思いはずっと持っています。人間以外の生き物を主人公にしたり、違う時代や違う空間を描いた作品で、人間社会とはまた別の世界を感じていただけているのでしたら、凄く嬉しいことです。

★プロフィールに地球の環境変動について研究していたとありますが、ご自身の作品制作にどのような影響を与えましたか?(作風に対する影響)
→「2万年前?最近だね」という会話を本当にしている所にいました。過去の地球は、北極南極に氷が無いくらい暑かったり、逆に赤道まで凍っていた時代があったり、恐竜の絶滅以外にも度々生物が大量に絶滅していたりと、ダイナミックな環境変動がいくつもあったことが明らかになっています。自然科学の発見は、人間の想像力を遥かに超えることがあって、絵を描く一人の人間として想像力で何ができるのだろうかと自問します。逆に、ふと閃いたこと、何となくいいなと思ったこと、好きだな綺麗だな楽しいな面白いなと思ったこと、そういった理屈ではない部分を、絵を描く時に大事にするようになったように思います。

★アクリルガッシュ、万年筆の魅力について教えてください。
→アクリルガッシュは、一度塗って乾くと色が溶け出さないところが好きです。安心して重ね塗りができます。小学生の時に、先に塗った黒が溶け出して、人間の顔が悲惨な色になったことがありましたから、初めてアクリルガッシュを知った時には救世主のような画材だと思いました。
 愛用しているのはターナーのアクリルガッシュで、水で薄めて滲ませたりぼかしたりと、透明水彩のようなタッチでも使えるところがとても気に入っています。あまり薄めすぎると顔料の定着強度が下がる懸念がありますが、実際のところ、淡く彩色した作品を明るい部屋に10年以上飾っていても、目視できるような劣化は全くないです。
 万年筆は、何故か、ただインクが出るだけで楽しいです…!紙にインクが載る瞬間、乾くまでの色の変化、文字に濃淡が出る事、書く過程の全てに魅かれるものがあります。「あいうえお」のような文字だけを時間を忘れて書き続けてしまうくらい、書くことそのものが楽しいです!

★黒川ひゅうさんの得意とする絵は何ですか?
(人物画、風景画など)
→最近はペン画です!細かい線を重ねたり、表情を細かい線でこだわって描いたりしています。ペン画をベースに、アクリルガッシュで着彩するのが気に入っています。

★作品エピソード
→アンモナイトの作品は、古生物の専門家でいらっしゃる相場さんの「アンモナイトの描き方」を参考にさせていただきました(1)。なんと学術論文の参考文献付きという本格的なものです…!正しいと分かっていることを反映させながら、模様についてはまだまだ未知の模様があるかもしれなくて、こんなことをしていたら楽しいだろうなという場面を想像して描きました。

アンモナイトの描き方  相場大佑さんのTwitter

黒川ひゅうさんのTwitter


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