青少年の元気ではつらつとした姿が印象的な作品を制作する子之籏さんにインタビューしました。

作者:子之籏
インタビュアー:たけ

たけ👦
　少年の元気ではつらつとした姿が印象的な作品だなと感じました。少年画を描くにあたってどのようなことを意識して描いていますか？

子之籏👨
　何より「男の子らしさ」を出すことです。彼らしか持ち得ないような、無邪気さや元気さが鑑賞者に伝わることを第一に描いています。
　また、一通り描き終えたあと、自分が心から「良い子が描けた！」と思えるかを重要視しています。愛らしい表情になっているか、この子の性格は観ている人に伝わりそうか、狙い通りに話しかけてきそうか、など。
　もしその時、少しでも「もっと良い子に出来る」と感じたら、完成にはしません。

たけ👦
　男性アイドルグループの作品がありますが、なにか、モデルになったアイドルグループはいるのですか？

子之籏👨
　モデルは居ませんが、「アイドル"らしさ"といえば？」を常に念頭においていました。また、世の中にはアイドルを描いた作品が溢れていますが、その中で自分ならどんな子たちが居たら嬉しいか、を最初に考えました。
　メンバーにはきらきらと輝く面だけでなく、葛藤や辛い体験などのプロフィールにもこだわる事で、応援したい！という感情が湧くよう心がけました。

たけ👦
　子之籏さんはなぜ少年画を描こうと思ったのですか？

子之籏👨
　男子・青少年が持つ無邪気さ、純粋さを表現したいからです。冒頭にも記しましたが、彼らしか持ち得ないような感情を発見して描き出すことが、何よりの面白さだと考えています。
　「なぜ男の子を描いたの？」「これ、女の子でいいじゃない」と指摘されてしまうのであれば、まだまだ私の実力と考察が足りない証拠なのでしょう。
　また、美術のモチーフとして長きに渡り、美人画や裸婦など女性が中心となってもてはやされてきたことに対しての、アンチテーゼの意味合いもあります。私が男子を描くことにより、彼らの新しい魅力を引き出すことが出来るのなら、この上なく幸せです。

たけ👦
　子之籏さんの得意とする絵は何ですか？

子之籏👨
　男子を描くことに固執してきたので、やはり彼らを描くことが得意ですが、特に11歳〜18歳あたりを表現することが多いです。
　この年代はゲームやアニメでも描かれることが多々あり、思春期から大人になるにつれての、複雑な感情の変化や成長の過程がとても魅力的です。そのため、まだまだ描き足りません。
　次はどんな子を描こうか、という探究心を持ち続け、近い将来に胸を張って「男子を描くなら任せろ」と言えるよう、努めていきます。

★作品エピソード

　以前は絵の具等で制作をしていましたが、作業効率などの都合で、現在はデジタルでの制作が中心になりました。すると、画面上で作品を観られるのに、それをわざわざ印刷してギャラリーで展示する意味を考える必要が出てきました。展覧会に足を運んで頂いた方に、何を持って帰ってもらうのか(※販売物など形あるものだけでなく、感覚など目に見えないものも含む)を考えるのが、現在の課題です。
　また、制作は内側に閉じこもって行いがちです。元々、旅に出ることなどは好きですが、最近ではより一層その大切さを実感しています。自分の目で見たもの、触れたものを作品に活かすことで「リアリティのある、夢のような世界(と男の子)」を形にしていきたいと考えています。
　あとは、身体が鈍らないよう鍛え続けていきたいです。良い作品は良い肉体と精神から生まれると思いますので・・・