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雑感:公園廃止とネットリンチ

新しい技術を追いかけてる方が有意義なので、直接は無関係な政治・社会問題には触れないようと思ってますが、年々ネットでは他人に対して無駄に攻撃的な人が増えているように感じています。

a girl covering their ears with their hands to the noise outside the window, a troubled face

年末に炎上していた長野市の青木島公園廃止問題。
なぜ、直接会話した訳でもない見知らぬ他人に対して、あれほどまでの暴言罵倒を浴びせる人がこんなに沢山いるのだろう?
何だか無差別に襲い掛かるゾンビ達を見ているようで悍ましかった。
署名運動も不発に終わり、問題は収束しつつあると思いますが、「この報道でが詳細がわからない」と思いつつも、取り巻く状況を見ていると関わらない方が吉。黙っていた人も多かったと思います。
子供のため」と言えば見知らぬ人をぶん殴っても構わないという勢い。

メディアの中でもNHK長野放送局だけが公平な視点で取材をしており、昨日もツイートされていたので、少し感じていた事を書いてみようかと思った次第です。

油を注いだメディアとインフルエンサー達

TV coverage in front of the park

最初にこの話題を目にしたのは、Yahooでたまたま目についたひろゆき氏の発言を元にしたニュース。それから茂木健一郎氏、フィフィ氏、ほんこん氏・・・他の発言に影響力のある方々。
相手が発信力を持たない個人ですから、もう少し個人叩きにならないよう慎重になるべきだったと思います。

そして竹田恒泰氏のKGG連呼。これが「和の精神」なのでしょうか?
日本の建国理念は何でしたっけ?本当に見苦しい。

ネットでの誹謗中傷に関しては苦労した筈のスマイリーキクチ氏ですらゴシップを鵜呑みにして一方的に非難している。
どんな人でも気を抜けば加害者側に回ってしまうと痛感しました。

これらの方々が参考にしている発端はNBS長野放送、そしてポストセブンデイリー新潮の記事だと思われます。
後追い報道していた局もほとんどコピペしたような内容でしたが。

「たった一人のクレームで」「上級国民」・・・こういった言葉だけを強調し、バイアスのかかった見出し。最初の時点から報道というにはあまりにも現場の状況や行政的な情報が欠けていました。
都市公園と遊園地の区別がついていない人も多かった。
行間を読めば鵜呑みにしてはいけない記事とわかった筈です。

住環境のトラブルは必ずしもどちらが正義でどちらが悪という事とは限りません。誰もが侵してはならない他人の領域、守るべき自分の領域があります。時としてそれが衝突する。そこを仲裁するのが法です。

行政の役割を踏まえて、外野からでもきちんと解説されていたのが元横浜市市長だった中田宏議員やYoutuberの失敗小僧氏。
共通して言っておられたのは「行政には苦情なんていくらでも来るけど、たった一人の苦情で方針を変えるなんてある訳がない」という点でしょうか。普通にそう思います。

「利権で繋がっていた、お金の流れがあった」と証拠が出てきたのならわかります。しかし、その後の報道ではそんな話は出ず「住人はこんな人間だ」という印象操作ばかり。不自然にも程がある。
条例や区長会の役割などについても報道では殆ど触れられない。
私有地ですし、区長会が廃止すると言うのなら、市長に止める権限はなさそうに思える。

そして少し調べれば、この騒動の発端に、公園廃止を炎上させようとおかしな事をやっている、Youtuber市議の存在が浮き彫りになってきます。
本当に苦情を入れた住人に問題があったのでしょうか?
彼は市民の個人情報を晒して何がしたいのでしょう?
自分のアピール・承認欲求の為に、住人を生贄にしたようにしか思えない。

12月27日のNHK長野放送局の報道あたりで少し流れが変わりました。
それまで住人を批判していた人の中にも「あれ?最初に聞いた話と何か違ってない?」と言った声を見かけるようになります。

木村花さんの事件からほんの数年です。私自身はテレビを全然見ないので彼女の事や番組の事も知りませんが、当時ネットでの誹謗中傷については相当反省や議論といった物がなされていたのは目にしています。
今、まるでそんな議論などなかったように、ひとりの私人が誹謗中傷の目に合っています。

伝聞だけで他人の人間性を決めつけてよいのか

people who gossip

取材の中で住人が発した「嫉妬じゃないですか」をわざわざクローズアップして見出しにするメディアと、それを根拠に「上から目線」だの罵る人達。
傍目にはそんな人達こそ、上から目線で物を語っているように見えます。

一連の報道で、いたずら電話や不動産会社を利用した嫌がらせが続いている中での取材。記者に気を許せば誰だって愚痴のひとつ位は出てきます。
冷静に対応できるマスコミ慣れした人間の方が少ないでしょう。

「レベルが違う」だって、具体的にどんな会話の中での発言なのかわかりません。批判する人は、普段の会話でそういう言葉を使う事は全くないのでしょうか。いちいち言葉尻を拾って叩く理由にしているようにしか思えません。

伝聞は他人を非難する根拠になりません。話半分に聞き流すべきでしょう。「こいつはこんな事言ったらしいから、こいつが悪者に違いない」
思考の停止ではないのだろうか。
売るために対立を煽るゴシップ誌にも大いに問題がありますが。

「文句言ってるのは一人だから我慢しろ。それが民主主義だ」
怖い考えですね。いや、それ民主主義じゃなくて全体主義ですから。
公園が後にできた事も知らずに言う人もどうだかとは思いますが、知ってて「お前が引っ越せ」と言う人も。地上げ行為を肯定するつもりでしょうか。

よくマスメディアが「FACT CHECK」と言って、「ネットはデマばかり」と主張しますが、半分は同意します。
しかし、拡散力がケタ違いのマスメディアがきちんと取材もせずに、まとめサイトのような報道をするこの件は最早フェイクニュースと言っても過言ではないかと思います。

正義中毒。誹謗中傷は麻薬

Fat angry pointing at a computer

ネットで他人への誹謗中傷は麻薬のような物と言われています。
他人を攻撃するとドーパミンが分泌されて幸福感に満たされるそうです。
でもそれで得られる充実感は後に何も残りません。
新たな攻撃対象を見つけて誹謗中傷をし続けるしかないのです。

私にもリアル知人だからと黙っていたら、朝から晩まで365日、5年も10年もネットで延々と他人の批判・中傷ばかり続けている人を何人も知っています。できる限り距離を置くようにしていますが。
それだけの時間を他人の批判に費やしているのですから、自分自身が成長する訳がない。

今日中傷がやめられない人はきっと10年後、20年後も延々やってる事と思うのです。

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