105 キャバクラ初体験記

29歳にしてキャバクラに初めて行った。なぜかというと、転職したことで取引先の社長に連れて行ってもらったから。

といっても初めてなのでキャバクラの要領とか何を話せばいいのか。これがワカラナイ。でも29歳のおっさんが女の子を目の前にして初めてなんで分からないですよ~なんて情けないことは言えずにあれよあれよと着席。5人で行き、女の子が5人付く。オイオイ…完全にタイマンスタイルかよ…。

終わった。学生時代から女の子慣れしていないボクちゃんはひたすらに緊張していた。横になほちゃんが座る。絶妙な距離感で太ももが微かに触れる。ボクちゃんのBPMが最高潮に達したとき、なほちゃんから衝撃の一言が
「私、今日体験入店で初めてお客さんに付いたんです」

こ…これは…こういうものなんですか?
慣れていなさそうな陰気な男性には初めての女の子を付ける「システム」、それとも、チェリー君に向けての「優しいウソ」なのか。どっちなんだキャバクラ業界さんよぉ!!

行きのタクシーでキャバクラ初めてって取引先の社長に告白したから社長の粋な計らいなんですかねぇ…。
そんなことよりも、何か話さないと。あまりグイグイ話しかけてくる感じではないし、本当に初めてかも…と淡い期待を抱きながらも色々と話していく。すると30分くらい経った頃だろうか。

なほちゃんが「まだここに居てもいいですか?」

きゃ…きゃわいい。そういえば隣の上司とか社長は女の子が代わってる。システムが分からないけどとりあえず「もちろんいいよ(イケボ)」と切り返す。
今まで女の子には縁がないこともあり正直あまり、こういう店には興味無かった。キャバクラだって夜のHなお店だって1回も行ったことが無い。あんなところ他人の金でしか行かねぇよ!とか思っていたが、キャバクラにハマる人の気持ちがなんとなく分かった気がした。

そのあとまた30分くらい話して店を後にした。
最後にラインを交換して店を出た後、なほちゃんからラインが。
「●●くんが初めての人で良かった☺」

けしからんな!どうせ営業ラインだろ!!店に来ない客は眼中に無いことくらい、キャバクラ童貞の俺だったら知らないとでも鷹を括ったか!

と心の中で叫びながら、「俺もなほちゃんが初めてで最高でした」という気色悪いラインを速攻送信していた。

あーあ、次はいつ行こうかな

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