オンライン説明会における「打ち出し」の策定
前回のnote記事で、
・パワポ資料の読み上げプレゼンはNG。
・「ライブ感」を出すために、学生からのQ&Aを中心としたコンテンツにしよう。
・焦点を絞った「キーメッセージ」を策定し、Q&Aはそれをもとに行おう。
と書きました。
今回の記事では、Q&Aコンテンツの成否を握る「キーメッセージ」(打ち出し)の策定方法を解説していきます。
キーメッセージは自社「らしさ」から考える
当然ですが、他社が当たり前に言える打ち出しはキーメッセージにはなり得ません。
「ベンチャーあるある」としては、
若手に裁量権がある / 伸びている / ポジションが空いている / 市場価値が高まる / 新規事業多数 / 社会的インパクトがある事業 / 挑戦できる風土 etc…
ベンチャーならばどの企業でも言えるこれらを並べることを、私は「箇条書き打ち出し」と呼んでいます。
言われてみれば誰もがだめだなと分かることなのですが、気づかぬうちにこの罠に陥ってしまうことは残念ながら多いと言えます。せっかくいいところがあるにも関わらず、もったいないですよね。
あなたの会社でも、気づかぬうちに他社と同じようなことを言ってしまっていないでしょうか? ぜひ、これまでの打ち出しを振り返ってみてください。
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では、他社ベンチャーが言えない「キーメッセージ」を策定するためには、何からスタートすればいいでしょうか?
それは、自社「らしさ」から考えることです。
① 自社「らしさ」を発見して、
次にそれを
② 競合他社が言っていないかどうか & 学生目線で響くかどうかを確認する
という順番です。
つまり、競争戦略の基本である3Cで言い換えると
①「自社(Company)」からスタートして、
その上で
②「競合(Competitor)」と「顧客(Customer)」の視点でチェックする
ということです。
このシンプルな2ステップを踏むことで、「キーメッセージ」を策定することが出来ます。
本記事では、① 自社「らしさ」(Company)の発見方法について下記で見ていきます。
社内で使われている「キーワード」に注目する
あなたの会社の自社「らしさ」は何でしょうか?
いきなり問われても悩んでしまうかもしれません。
自社「らしさ」を発見するための具体的手法は、社内で使われている「キーワード」を洗い出すことです。
「共通言語」と言ってもいいかもしれません。
ミッションやビジョンの中で社内でよく使われている言葉があればいいですし、日々の仕事をしている中で当たり前のように皆が使っている言葉もグッドです。
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たとえば、
・不動産L社の「フィードバック」は現場で普段からよく使われている言葉
・人材育成ベンチャーS社の「20代からのリーダーシップ」は本業のコンセプトワード
・ITベンチャーB社の「レバレッジ」は経営者が全社会議でたびたび使う言葉
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このように自社で普段から使われているキーワードを「キーメッセージ」とすることは、自社「らしさ」が出るだけではなく、リクルーターが自分の言葉で自然と話せるという効果が見込めます。
採用は、チーム戦です。人事だけが主張しただけでは、学生には当然響きません。
リクルーターが「キーメッセージ」を自分の言葉で語れること。これは、「キーメッセージ」の必須条件と捉えてください。
ですので、採用向けにクリエイティブなキャッチコピーをつくるといったことは正直オススメしません。
自社「らしさ」を発見するために、まずは社内で当たり前のように使われている「キーワード」の洗い出しから始めてみてください。
①自社「らしさ」(Company)を表すキーワード候補を幅広く洗い出した上で、
②「採用で競合するベンチャーが言っていないかどうか」 (Competitor)& 「学生目線で響くかどうか」(Customer)を確認する
という手順に入っていきましょう。
本記事のまとめ
・他社ベンチャーがどこでも言えるような「箇条書き打ち出し」はNG。
・キーメッセージ策定の際には、まず自社「らしさ」から考え始めよう。
・自社「らしさ」を発見するための具体的な手法として、社内で使われている「キーワード」を洗い出そう。