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「Baridi Baridiにどう貢献できるか?」―そのためにやれることは全部やる

今回は、Baridi Baridi日本・タンザニアでインターンを経験された坂井柊斗さんに、卒業特別インタビューを行いました。 

今回登場するBaridiメンバー

坂井 柊斗 
神戸大学大学院在学中。2020年10月よりBaridi Baridiにインターン生としてジョイン。2021年8月~10月にタンザニアへ渡航し、Baridi Baridiタンザニア社で業務を経験。「BARIDI TIMES」の企画・作成に携わってきた。2022年2月をもってBaridi Baridiを卒業。
坂井 柊斗 のnote
入江 凪砂 (インタビュアー・編集) 
関西学院大学在学中。2021年5月よりBaridi Baridiにインターン生としてジョイン。会社の規程類作成やCEOのタスク管理に携わっている。

短期的な利益よりも長期的なあるべき姿を

ーー本日は宜しくお願い致します。

坂井:よろしくお願いします。

ーー早速ですが、Baridiに入った経緯について教えてください。

坂井: そうですね。僕の所属していた大学の経営学部の就職率は90%を超えていて、周りの同級生は続々と就職先が決まっている中で、僕自身は大学院への進学を決めました。大学院の合格発表の次の日あたりに、Baridi Baridiのインターン募集の投稿をFacebook上で見ました。

その募集に掲載されていた朝田さんの創業noteを見て、この人と一緒に働きたいなと思いました。着々とキャリアを進める周囲の同級生に対して、就活もしてきておらずビジネスの現場で働いた経験がない、というのが不安だったので、思い切ってインターンに挑戦してみようと思いました。

――では、朝田さんが書かれたnoteがBaridiへのジョインを後押ししたって感じですか。

坂井:まさにそうですね。Baridiが成し遂げたいことにプラスして、掲げていたビジョン・Shared Valuesが自分にとってはすごくフィットしていました。お話を聞いてみたい、インターンしてみたい、と思いました。

――そうなんですね。noteを読んでみて、どんな言葉が響いたり印象に残ったのですか。

坂井:タイトルにもなっている「「今さえよければいい」はもういらない。」っていうところが一番インパクトがあり、キャッチ―でした。短期的な利益よりも長期的なあるべき姿を考える、という点が共感できました。言うのは簡単ですけど、そのビジョンに正面から挑戦していこうとしていることが僕にとってはすごいなと思えたので、ここで働いてみたいと強く思いました。

――なるほど。坂井さんがジョインした時、まだBaridiは設立して間もない頃だと思いますが、その当時の雰囲気や行っていた業務を教えてほしいです。

坂井:僕が入社した当時はBaridiの日本法人はまだできて2〜3ヶ月、タンザニアの現地メンバーは2人しかいないような状況でした。しかも、日本人メンバーがコロナの関係もあって、ずっと日本にいました。なので最初の方は僕がオフィスに行くと隣には朝田さんがいて、また隣の部屋には吉光さん、小野さんがいて、たまに広川さんが出社していました。みんなが小さな場所に集まって、業務をやっている感じでした。

とりあえずまだ形はそんなにできてないけど毎日やることがあって、一生懸命進んでるっていう感じでした。その中で僕はビジネス経験やインターン経験があったわけではないので、総務の業務や資料をまとめていました。会社の規程ができていなかったので、他のインターン生と分担して就業規則などの規程作成もやっていました。 

――今とは違う雰囲気ですね。初めの方から朝田さんと一緒にお仕事をされていたとのことですが、印象に残っている出来事はありますか。

坂井:そうですね。普段は物腰がすごく柔らかいし、冗談も言ってくれて面白いなって思うところもあります。それがありつつ、経営者、ビジネスパーソンとしてはすごく尊敬していて、色々とアドバイスをくれて、その1つ1つが心に残っています。

そのうちの1つは僕がまだ何もできない最初の頃にいただいた、「とりあえず打席に立つ回数を多くしましょう」という言葉です。これはValueの「Speed Matters」に繋がる話ですが、打席に立つ回数を多くする、でそこでフィードバックをもらってまた次の業務に進んでいく。そのためにはSpeed Mattersで早く業務を行くことが大事と言われたことが印象に残ってますね。

また、「ビジネスでは 野球みたいに1番から9番まで打順が回ってくるのではなくて、ある仕事を任せたいって思ったら、1番から4番ぐらいまでしか回ってこない。
だから「任せたい」って思ってもらえるような人に成長するには、とにかく自分が今やれる打席には全部立つ、そのためにスピード感を持って仕事を早く終わらせて、選ばれる存在になっていかなきゃいけない」

というお話をしてもらいました。そこ(Speed Matters)はValueとして認知していたんですけど、すぐ実践に落とし込めたなと思っています。

目標だったタンザニア渡航のチャンス

――坂井さんはタンザニア現地での業務経験がありますが、朝田さんからタンザニア渡航の提案を頂いたときはどんな気持ちでしたか。

坂井:そうですね、その時は入ってから半年以上経ち、社内報だったりWebサイト作りのマネジメントを任せていただいていました。少しずつ自信がついてきて、やったことの実績がちょっとずつ出せたかなっていう段階で、そこを評価してもらってお話を頂いた感じです。

もともとBaridi自体がタンザニアでインターン募集してなくて、このインターンをしたからといってタンザニアに行けるわけではない、というのは元からずっと言われてる中で、そういった評価をして頂いたので、お話を頂いた後ガッツポーズをするくらい嬉しかったです。

――では、渡航のお話を頂いてすぐに行くことを決意したのですか。

坂井:そうですね。言われたときにすぐに前向きな返事をさせてもらいました。タンザニアに行くことは1つの目標でもあったので、行かない理由はないと思いました。

――Baridiに入るときに、タンザニア渡航以外の目標はありましたか。

坂井:入った時はとりあえずこういうビジョンのチームでチャレンジできること自体がいいなと思っていたので、具体的な目標はあんまり決めていなかったです。その中でふわっとした目標の1つがタンザニアに行くことでした。

事業の最前線であるタンザニアで働くことが、事業に対してインパクトを残し、自分が貢献できるところだと考えていました。だから僕の中では常に「Baridiの事業に少しでも貢献する」ことが、1番上の階層の目標でした。

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自分の役割とタンザニアで業務するうえでの立場に葛藤 

――渡航のお話を聞いて事前に勉強したことはありますか。

坂井:そうですね。まず僕が行ったのは3ヶ月間で、配属先がサービスチームというエアコンの据付を行ったり、アフターサービス(エアコンのメンテナンス)などを行う技術屋さんのチームというのがわかっていたので、予習はしてなかったです。現地に行った時にエアコン周りの知識は、チームの中では僕が一番持ってない状態だったので、予習ではないですが、そこはなんとか食らいつくために毎日勉強してたっていう感じになるのが1つです。

また、違う国に3ヶ月も行けるため、現地のスワヒリ語を少しでも話せるようになりたいなという思いはありました。なので3ヶ月間毎日可能な限り、30分から1時間ほど現地の言葉であるスワヒリ語を勉強する時間を出社前に確保していました。土曜日は家庭教師の先生を呼んで勉強していました。


――タンザニアでは不安だったなことや苦労したことはありましたか。

坂井:そうですね、さっき言った2つのことは苦しいとか大変ではありませんでしたが、どういう立場で行けばいいのかは、最初はすごく迷ったというか不安でした。現地の会社の中では、インターン生として一番下っ端、フレッシュなメンバーとして行くけど、任せられる役割としてはサービスチーム直属の上司の広川さんという方の下で、現地メンバーを統率する役割でした。そこをどうメリハリをつけるのか、学んでいく姿勢と、しっかりまとめる役割のバランスを取っていこうかなっていうのは不安でした。

まあそれも2、3日経ったら現地のメンバーが馴染んでくれたので、ちゃんとレポートラインとして僕にレポートしてくれました。その一方で、コミュニケーションはフランクにとってくれてすごくやりやすかったです。

ただ、意思疎通する上で上長の広川さんが日本にいるため、その中で僕たちは言われたところをやらなきゃいけなくて。問題が出てきたらその後日本側と文章でコミュニケーションしなきゃいけないんですけど、そのスピード感があまり最初の方は掴めず、スピードも出てないなと感じました。そこら辺は不安ではないんですけど、やばいもう今日終わっちゃったとか、今週まだこれ終わっていないな、と思うことがありました。

――なるほど。では、タンザニアの業務ではどんな時に達成感がありましたか。

坂井:コミュニケーションのところで、現地メンバーのサービスチームは、大学とかじゃなくて職業訓練校のような立ち位置のベータという学校を卒業してるんです。だからその中でやっぱり少しだけ英語でのコミュニケーションに不安を持ってたところがありました。

日本と文章でコミュニケーションする中で、コミュニケーションしなきゃいけないけど、レポートが分かりにくかったり、すごい長い文章で書いてあったりで、何言ってるのか分からないのが課題でした。ここはどうにか改善しないと、僕が日本に帰って広川さんが日本にいる場面にチームがうまく回らないのは問題だと思いました。その時のためにコミュニケーションの基礎を作っておきたくて、レポートフォーマットを作りました。

実際にレポートする時に目的や何を伝えたらいいのかを、5W1HでまとめてSlack上に用意しました。今はこれを運用してないと思うんですけど、その時に作って皆に説明して、使ってもらったことで、レポートってこういう感じにすればいいのかという感覚は掴んでもらえたと思います。

僕が日本に帰る時に広川さんと1on1したんですけど、「最近メンバーのコミュニケーションの質やスキルが上がってるのは目に見えているよ」、と言っていただきました。自分発案でやったこととして1つ成果を残せて、現地でなにか土台を作れたのは良かったです。

――タンザニアにいたときに考えたことはたくさんあったと思いますが、その後の日本の業務でこれをやりたいとか、日本のインターン業務との繫がりを考えたりしましたか。

坂井:まさに今やってる「BARIDI BARIDI TIMES」はそうです。これからチームが拡大していくことを考えた時に、会社の目線として今の0→1 フェーズ、スタートアップの創業期の段階のチームの状態や様子を残していくことが会社にとっていつか資産みたいになったらいいなという思いがありました。

また、インタビューを通じてインタビューを受けた人も読む人も、チームや会社へのエンゲージメントを高められる機会になると思いました。それに社内報の作成はタンザニアから日本に帰ってもできると思ったので、社員にインタビューする企画を始めました。

良い環境に身を置き、かつ自分自身も努力する

――日本とタンザニアで業務をするなかで、どのようなことを意識していましたか。

坂井:タンザニアにいる時は、滞在期間3ヶ月の中でやりきる業務、任された業務のスケジュールを意識しながら毎日毎日やれることを全部やる意識でした。それでもやはり現場では頻繁に問題が起こって、1日終わって「あれ、今日トラブル対応だけで、あっという間に終わったな。」とか日常茶飯事でした。(笑)

一方で、日本での業務においては、事業をしているタンザニアとの直接的な繋がりは薄れてきます。その中で、今やっている業務が、どうタンザニアのお客さんにエアコンを届けるためになるのか?とかBaridi Baridi全体に対して、どのような貢献ができるか?という風に業務の位置付けを俯瞰して考えることは大事だなと思っています。

――Baridiでの業務を振り返り、尊敬する朝田さんと働いてみて、実際に何を感じましたか。

坂井:そうですね、基本的には尊敬しているっていうスタイルは全く変わっていなくて、特に大きな変化はありません。タンザニアでは一緒にお食事に行く機会があったので、キャリアについてたくさんお話を聞いてくれたりしました。元々尊敬はしていたんですけど、一緒にお仕事をして、やっぱりこの人の考え方や姿勢が素敵だなって思う場面が多かったです。

――坂井さんにとって「尊敬する」って何ですかね、朝田さんみたいになりたいとかそういったことですか。

坂井:(笑)その人になりたいっていうよりは、その人には良い部分がいっぱいあるっていうイメージです。自分のできること、できないこと、得意なこと、得意じゃない事ってあると思うんですけど、とても良い部分がいっぱいあるなと思っています。たぶん僕自身、尊敬できるような人と一緒に働くっていうところがスタイルとして合ってるんだと思います。

――何か朝田さんの言葉で印象に残っている言葉はありますか。私も心に留めておきます。

坂井:先ほども言ったように、一つは「「今さえよければいい」はもういらない。」っていうのは、かなり自分のやり方やキャリアに合っていました。だからこれをキャリアに置き換えると、これをやった時に長期的に見てどうなっていくんだろうとか、これ今しか見てなくない?とかは常に考えていると、自分の考えに対してクエスチョンを投げかける時にいいなって思っています。

あとは何か会社に入ってすぐに、「50%、半分ぐらいはこちらで環境として用意するから、残りの半分はめちゃくちゃ自分で頑張って」ということを言っていただきました。これは成長を構成する100%の話のことなんですが、良い環境に身を置くっていうところプラス、自分の努力が必要だよということです。このことは結構意識していました。だからそういう意味で、環境ってとても大事だと思うし、違和感があるときは環境を変えてみるとか、次のチャレンジに対してポジティブになれる面がありました。

――Baridiで様々な業務に携わってみて、坂井さんはBaridiに入った時と今で、どこが大きく変化したと思いますか。

坂井:そうですね。入った時は本当にゼロというか、ビジネスパーソンとして考えた時は本当にゼロ、何もできなかったです。オフィスの備品を買うことから始まったので、その時の状態から能力は確実には成長しましたが、やっぱり視座というか、ビジネスパーソンとしてどうキャリアを歩んで行くかというイメージは持てました。

タンザニアに行った時も業務以外の日は、タンザニアにいる日本人の方のコミュニティで一緒にお付き合いさせてもらった人がたくさんいました。そういった方やBaridiの人もいる中で、これから自分がどう成長したらこういう職業に就いてこういう経験ができる、とか少しは掴めたことが大きいです。もちろん毎日の業務でできることは増えたのにプラスして、キャリアのイメージも強くなったことが大きく変化したことだと思います。

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自分がやってきたことを客観的、相対的に見てみたい

――タンザニアにいるときからBaridiの卒業は考えていましたか。

坂井:いいえ、全く卒業は考えてなかったです。タンザニアいる時は、その後のキャリアは考える暇がなく突っ走ってました。日本に帰ってきて、1か月ぐらい落ち着いて考える時間を取って、ゆっくり自分のキャリアについて考えました。そして自分がやってきたこと、Baridiでやってきたことをもうちょっと客観的に、相対的に見たいなと思い、違う環境に身を置くことを朝田さんをはじめ、Baridiの人に相談しました。

――Baridiを卒業後のキャリアはどんな感じでイメージしているのですか。

坂井:キャリアについて具体的なことは何も決まっていないですが、さっき言った「何ができて何ができてないのか」はもう少し見てみたいという思いがあります。タンザニアに行ってきた中でやっぱり、僕の中では英語のデリバリー能力という面で、英語でビジネスする能力はまだまだ課題があるなと感じました。それで今年の7月からカナダに行って、ビジネス系のプログラムを受けることを決めました。

あとは、少し矛盾しているかもしれませんが、自分1人で切り開いていく力や、なんとか解決する力を培って、リモートが中心になってくるなかで、誰とでもどこでも働けるようになることを、ここ1年のテーマにしたいと思っています。ビジネスパーソンとして誰とでもどこでも働けるっていうのが大事だと感じるからです。

「どこでも誰とでも働ける」という点では、これまでにスワヒリ語だけじゃなくて、キリスト教の人やムスリムの人など価値観が違う人とたくさん働いたと思います。働く中では多様性といわれますが、それはとても難しいことだと痛感しました。まあこの人はこういうものだろうと決めつけることは、相手に対するリスペクトだと思わなかったです。もっとより深いバックグランドを知った上で、お互いが分かり合うことの難しさを感じています。それは宗教に限らず日本人同士でも同じように言えると思います。だから今後は、「他者とどう働くのか」を考えるタイミングにしたいと思います。

ーー本日はありがとうございました!卒業後も頑張ってください!

Baridi Baridi Timesでは、Baridi Baridi社員のインタビュー記事をnoteで発信していきます。
Baridi Baridi HP
CEO朝田のnote



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