研究室選びの着眼点
卒研や大学院で研究室に配属されると、生活の多くの時間を研究室で過ごすようになる。また、満足な研究生活を送れるか、その後どのような進路に進むことになるか、は所属研究室によって決まる部分が大きい。学問的な興味はすごくあったはずなのに、研究室との相性が悪く研究をやめてしまう人は後を絶たない。
このように研究室選びの重要性は明らかにもかかわらず、大学や企業をどのように選ぶかについての情報に比べて、研究室をどのように選ぶかの情報はあまりにも少なく(ビジネスにならないから?)、またよく考えずにてきとうに決めてしまう人が多いように思う。
How to pick a graduate advisorという研究室の選び方を提案した記事では、PIの科学的な能力とメンターとしての能力に基づいて選ぶべきだと述べられている。これはすごく大事なことで参考になるのだが、日本は欧米ほどPIが直接学生の面倒を見るという慣習になっていない場合が多いし、人によっても具体的に何を重視すべきかは変わってくるだろう。
ここでは、研究室を選ぶうえでどのようなことが考えられるうるかという材料を提供できればと思う。
研究内容
研究内容は最重要で、考えない人はいないと思う。ただ、研究内容で研究室を選ぶな、と先ほどの文献は述べている。理由は、研究内容がどのようであっても大抵研究のプロセスを楽しめるためだそう(パズルを解くのが好きな人は違うタイプのパズルを与えられても楽しめる)。少なくとも研究室に滞在することが予想される期間興味が続きそうか、自分が研究している姿を想像してみるといいのではないかと僕は思う。
注意点
研究室でいま何ができるかが大切になる。論文になった研究や予算が出なくなった研究はもうやっていない可能性がある。
研究室には他の研究室に比べて、(経験的な、または技術的な)何らかの強みがあることが多い。ここに自身の研究テーマを合わせられると、研究がうまくいきやすい。
情報源
研究室説明会
研究室HP(研究内容、研究業績)
研究の進め方
一般的に決まった方針があるわけではなく、研究室、分野、卒研か博士課程かなどでかなり異なってくる。理論系・情報系の分野は自由度が高く、実験系は自由度が低い傾向があると思う。
研究テーマの決め方
スタッフの提案から選ぶ or 自分で決める研究の指導方法
手取り足取り or 自主的に研究指導への熱意
PI(スタッフ)は学生のために時間を割いてくれるか?PI(スタッフ)の研究哲学
何をもって分かったとするか?
これが合わないと、議論がかみ合わなくなる可能性がある。
情報源
研究室見学の際に聞く
スタッフ(+博士課程の学生)と学生の比率
どのくらい密に指導を受けられるか。
研究生活
研究室で過ごす時間の長さから、一番大事な要素と感じる人も多い。
研究室メンバーとの相性
特に実際に指導していただくスタッフの方研究室メンバーのやる気
研究を互いに高めあえるような、情熱を持った人が多いか?
研究室メンバーは研究を楽しめているか?研究室の雰囲気
わいわい or 黙々と研究室行事
コロナの影響でここら辺は変化があるかも。コアタイムの有無
セミナーの頻度
情報源
研究室見学の際に聞く
その他
研究室の規模
日本は研究室が大型でPIからの直接の指導はあまりない場合も多い卒業生の進路
アカデミア or 企業(研究職、エンジニア…)
自分の行きたい進路に進んでいる卒業生がいるか?修士・博士への進学可否
PIが退官・異動する場合がある就活・留学・インターンへの理解
進路につながってくる研究費
研究規模、スピード感などが変わってくる学振取得率
お金をもらいながら博士課程を送れるか
(WINGS、次世代研究者挑戦的研究プログラムなど他の制度も)成果
論文の質・量の他に、卒研生・修士生の学会発表など
情報源
研究室HP(メンバー、研究業績)
研究室見学の際に聞く
Google Scholar (論文、h-index)