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cheerioの超個人的レビュー第21回『増田未亜:アブナイ♡CANDY』

少し間が開きましたが、今回はビスケット・ボイス(?)が魅力的な増田未亜さんの7枚目のシングル『アブナイ♡CANDY(作詞:谷穂ちろる 作曲:佐藤健 編曲:戸塚修)』について書いていきます。

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発売は1990年9月1日です。冬直前ですね。ゴールデン・ベストを後追いで聴いたので画像はそのベスト盤のものです(というか、いいジャケ写が拾えませんでした)。

ん。。。単純に美少女ですね。当時はそこまで思いませんでしたが。存在は知っていましたし、イコちゃん出身ということはもちろん知っていました。でもそこはかとないB級オーラを感じていたのは事実です。おまけに超個人的理由として、当時「増田さん」という女の子とお付き合いしていたので、何か照れというか、こっぱずかしさというか、敢えて避けていた感じです。我ながらそんなかわいい時代もあったのね、という感じです。

あ。『B級』というのはもちろん褒め言葉です!

さて、増田未亜さんのデビューは1989年4月。セールス的なことは分かりませんが、2ndシングルの『夏の瞳DOKI・DOKI』が有名なような気がします。

今回、なぜこの曲を選んだのか。作詞が谷穂ちろるさんだったからです。

谷穂ちろるさんは、おニャン子ソロ組にもいくつか歌詞を提供していますが、僕にとっては日本のイカしたロカビリーバンド、「ヒルビリー・バップス」の印象が強いんですよね。ちょっと甘酸っぱい後悔を伴う青春期の心情を巧みに綴る印象です。

『アブナイ♡CANDY』はちょっとおませな女の子が主人公。なかなか手を出してこない男の子を誘惑する内容です。誘惑と言っても色気のある大人の女性というわけではなく、また、おニャン子的なハレンチな感じでもなく、あくまでもちょっと背伸びした(でも経験は少ない)女の子。

ヒルビリー・バップスの『ビシバシ純情!(1987年発売)』では思いを伝えきれなかった男の子が(彼女は戻らないと分かっていながら)車を飛ばし女の子を追いかけ想いを伝えたいという歌詞です。

なんとなくこの2曲に共通点を感じるんですよね。ティーンエイジャー期の甘酸っぱさ。もちろんこの2曲で描かれてる男の子像は全く違うんですけど、なんか似たり寄ったりというか、ありがちな若い男女。男の子に注目すると、『ビシバシ純情!』から3年近く経って男の子がオクテになったのでしょうか。それとも増田未亜さんのターゲット層として、そのようなモジモジした男の子を狙っていたのでしょうか。

ジッタリンジン(今でも大好き!)も似たような甘酸っぱい雰囲気があるんですが、谷穂さんの歌詞の方がなんだか都会的です。でも、時代で考えると、都会の方ではコギャル前夜、もうこんな淡い女の子は少なくなっていたのかもしれないですね。

曲そのものを聴いてみると、曲自体は何て言うんですか、ポップスというか、それこそロカビリーに近いビートに感じます。そこもヒルビリー・バップスを思わせるポイントなのかもしれないですね。ギターのカントリー〜ロカビリーフレイバーのリックも入っています。谷穂さんの紡ぐ青春リリックにはこのビートが似合うのでしょう。

それにしてもキャッチコピーにある「ビスケット・ボイス」ってなんでしょうね。彼女のキャッチコピーは「ハートにやさしいビスケット・ボイス」です。イメージが湧きにくいですね。まあ、なんにしても歌声がちょっと淡すぎてB級っぽさを助長しています。同僚の田山真美子さんに比べると歌声はちょっと弱いですよね。田山さんはちょっと歌声が太いので、この二人の中間くらいがちょうどいいような気がしますが。

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顔もどこか似てるような。田山真美子さんと河合その子さんを足して2で割ったような顔ですね。井上咲楽さんが眉毛を細くしたら似ているのかも。

まぁ、今回は曲そのものについてはほとんど触れていないですが。

この時期のアイドルがなんとなく冬の到来を感じさせるのは、上手く言えないんですが、音が薄いんですよね。レコードからCDになったからとかではなく・・・低音が弱いというか生音の感じが薄いというか。厚みが感じられないんですよね。楽器編成のせいなのかアレンジのせいなのか、ミックスのせいなのか。いい悪いではなく厚みがなくなっているのがこの時代のイメージです。たまたま昨日聴いていたので引き合いに出しますが、岩井小百合さんの方がよっぽど音が厚いです。

いい悪いではなく好き嫌いの問題でしょうが。

ということで、今回はリアルタイムでの思い入れがないので、ちょっと軽いレビューになりました。アイドルの歴史を考えるとき、冬到来前の(隠れた)美少女の曲をじっくり聴いてみるのもいいものです!


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