cheerioの超個人的レビュー第23回『岩井小百合:ドリーム ドリーム ドリーム』
今回は「銀蝿の妹」こと岩井小百合さんのデビューシングル『ドリーム ドリーム ドリーム(作詞・作曲:TAKU 編曲:馬飼野康二)』を題材につらつらと綴っていきます。
発売は1983年1月12日です。いいジャケ写が拾えなかったので、2010年に発売されたパーフェクト・ベストのジャケットです。
岩井小百合さんは大人になって、しかもここ数年でハマったアイドルです。もちろん存在は知ってましたよ。
でも。でも。でも。
今も昔も横浜銀蝿の皆さんが苦手なのです(ファンの方、ごめんなさい)。
そんな僕にとって当時の「銀蝿の妹」である岩井小百合さんは見て見ないフリをしてきたアイドルです。
というわけで、今回のレビューは全て大人になって考えたことを書いていきます。
まず、とにかくかわいいですね。でもこのベスト盤のジャケットは他の写真を使った方が良かったような気がします。というのも僕が抱く彼女のイメージは、
『完璧なポニーテール』
だからです。
83年のアイドルシーン、というか若者の流行り(の温度感)はどういう感じだったんでしょうか。83年というと僕は小学校入ったばかりくらい。しかも九州の田舎だったので、テレビから得る雰囲気しか分からなかったんですが。
僕は80年代という括りでアイドルを語ることが多いですが、アイドルだけではなくてカルチャーとして、80年代の半ば頃まではアメリカの50年代を強く意識していた時代だと認識しています。わざわざ例を挙げるまでもありません。音楽界もその流れは間違いないと思います。
それでも微妙な差というか派閥というかそういうのはあったと思うんです。同じ3コードを基礎としたロック(ンロール)と言ってもスタンスの差からくる空気感というか緊張感の差。多少活動時期が違うので一概に比較することはできませんが、例えば、
「CAROL」
「BLACK CATS」(およびCREAMSODA系バンド)
「横浜銀蝿」(および銀蝿一家)
「THE CHECKERS」
「SALLY」
「(5)TEAR DROPS」
これらは全て50 'Sから影響を受けているバンドですが、音楽的スタンスやファン層は全く違うのではないでしょうか。ちなみに個人的にはダントツで「BLACKCATS」派です。BLACKCATSも銀蝿も好きという人がいたら、僕はその人のことを音楽的に信じることは難しいかもしれません。
そういう僕が銀蝿一家の岩井小百合さんを聴く流れはリリースから30年以上経過するまではありませんでした。当然と言えば当然です。
でも、なんのきっかけかは忘れましたが、聴いてしまったんですよね。。。
歌詞ははっきり言ってどうってことないです。では何に感動したか。それはもうルックス含めたパフォーマンスと曲のテンポ感ですね。デビュー時14歳ですよ。動画を見たら分かりますが、堂々としたパフォーマンス。元々子どもの頃からポニーテルが好きだったので、大人になって見たらその完璧具合が理解できます。
そして曲のテンポ。当時としては結構テンポ早かったんじゃないかと思います。BLACKCATSが本格的にネオロカビリー(そしてサイコビリー)に近づいてきたとされる『I 愛 哀 Waiting for you』が発売されたのが82年の11月ですから、その3ヶ月後くらいにアイドル界でこのテンポで歌うのは珍しかったのではないかと思います。2ndシングルもノリノリです。
銀蝿は見た目とか作品はダウンタウン・ブギウギ・バンドと同じように狙ってキャラ作りしてたんでしょうか。その後の活動を見てもそうは思えないんですが。有名な2人の印象が強いだけですかね。聴かず嫌いの可能性も高いですが。
それにしても岩井小百合さんは「もったいなかった」。いろんな意味で。。。
その後、岩井小百合さんはポニーテールからショートカットになり、人気も下降して行ったようです。
しかし、ポニーテールから当時のアイドルにありがちなショートカットになったのは不思議です。当時何となくテレビで見ていたはずなので、何だか時代に逆行してダサい方に行ったなと子ども心に感じていたのかもしれないです。あれ、なんて言うんですかね、聖子ちゃんカットバリエーション的な伊代ちゃん的な髪型。80年代アイドルは好きですが、あの系統の髪型は好きではないです。
国生さゆりさんがソロになってポニーテールで出てきた時はときめいたものです。彼女もソロ初期の頃は50年代に影響を受けた楽曲が多かったですね(おニャン子自体がそう言った音楽性だったんですが)。
全くの余談ですが、小学校5年生の頃、初恋の相手はチェックのシャツが似合うポニーテールの同級生でした。
そういうわけで、初代・二代目スケバン刑事や国生さんのポニーテールに心奪われた少年は、大人になってこうやってレビューを書いているわけです。そんな僕が岩井小百合さんについて触れないわけにはいかなかった、というわけです。
もうこの際、ポニーテールは「さゆり」という名の女性のシグネイチャーにして欲しいくらいです。まあ異論ありまくりでしょうが。
今回のレビューは掴み所のない内容になってしまいましたが、とにかく言いたいことは、僕にとって岩井小百合さんは、いろんな意味でもったいなかったアイドルだったな、ということです。
うん、もったいない。。。。。。。。。
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