見出し画像

#52 精彩を欠いた赤白 連勝は6どまり【ラリーガ第12節】

11月4日(土) 5:00 K.O. ラスパルマスvsアトレティコ 2-1

衝撃的な試合でした。
効果的なプレッシングでアトレティコの最後尾を苦しめ、ボールを保持する自分たちのスタイルを貫いたラスパルマスが、内容でもスコアでもアトレティコを上回ったのです。
直近の相性や日程(アトレティコは中4日、ラスパルマスは中2日)などを考えると圧倒的にアトレティコが有利だと思われていましたが、現実は全くの逆となりました。

ラスパルマスは明確な狙いをもってゲームに入りました。

①非保持時には、3トップがアトレティコの3バックとGKにプレス
②攻撃時には、スピードのある右WGのマルヴィンを裏に走らせる

この2点が徹底されていました。

・①について
アトレティコはこの3トップによるプレスに非常に苦しむことになります。コケは相手中盤にマークされており、WBに出してもすぐに相手SBに寄せられてしまうからです。
結局捨て気味にロングボールを蹴ることが多くなりましたが、モラタだけではどうすることもできず、ことごとくラスパルマスに回収されてしまいました。

・②について
ラスパルマスは攻撃時に左SBのカルドーナがアンカーの位置にまで上がり、3-2-2-3のようなシステムをとります。この配置も5-3-2の守備ブロックを組むアトレティコにとっては厄介で、2トップで制限がかけづらい状況になっていました。
後ろで数的優位を作りアトレティコ陣に侵入した後は、WGのスピードを活かした攻めができるのがラスパルマスの持ち味です。特にマルヴィンは簡単なワンツーでも深く侵入できる選手なので、相対するリケルメは守備に追われることになりました。ラスパルマスは無理のない着実な攻めで、セットプレーなども含めじわじわとダメージを与えてきました。
(逆にカウンターでリケルメが裏を取ってチャンスになるシーンもいくつかあったのですが活かせず。結果的にアトレティコはこれが響きました…)

なんとか耐えて0-0で迎えた後半の立ち上がり、ついに試合が動きます。
ビルドアップを助けにきたグリーズマンがプレスに引っかかり、そのままショートカウンターでラスパルマスに先制を許しました。
似たようなシーンはそれまでにもいくつかあったので、そろそろやられても致し方ないといった感じでした。

そして75分には、エルモソの不用意なパスをかっさらわれ、またもショートカウンターから失点を喫します。
あまり失点シーンについてとやかく言うのは好きではありませんが、最終ラインの集中力が途切れていた感は否めません。失点直前にもヒメネス(後半途中からヴィツェルと交代)の危ないミスパスがあったりと、この試合を通してリスキーな縦パスが多くみられました。これも、ビルドアップがうまくいっていないことによる焦りのせいだったもしれません。

時間帯も考えて、ラスパルマスは5バックによる逃げ切りに入りました。
なんとかこじ開けたいアトレティコは、グリーズマンに代えてコレア、モリーナに代えてハビガランを投入。
モラタを下げないのかな、とも思いましたが、結果この交代が奏功します。

82分、ハビガランに左を譲り右に回ったリケルメのアーリークロスをモラタが足で流し込み、アトレティコが1点を返します。
クロスに飛び込む嗅覚に関しては、モラタには素晴らしいものがあります。
ラロハを救ったスコットランド戦のゴールを思い出しました。(#28参照)
パワープレーに頼らざるを得なくなることも想定した上で、モラタを残す決断をしてシメオネ監督、やはりさすがだと思います。

しかし反撃もここまで。終了間際に超決定機もいくつかあったのですが決めきれず、アトレティコは今季2敗目を喫し、連勝は6で止まりました。

アトレティコファンとしてはなかなかダメージが大きいですが、終盤には希望も垣間見えた一戦でした。
最後に、今後のアトレティコの課題を無責任ながら挙げていきます。

・サイドに同じ利き足の選手が並んだときの攻撃

例えば今日の試合でいくと、右のデポール・モリーナ、左のサウール・ハビガラン(終盤のみ)のことです。WBがカットイン&IHが外を追い越してサポート、という形ができないので、どうてもクロスが相手に読まれがちでした。左利きWBのいない右サイドは仕方ないにせよ、オーバーラップ・インナーラップのタイミングや、その前にWBに渡す場所(足元か裏か)などはもう少し工夫の余地がありそうです。

・最終ラインからのビルドアップ

格下相手にも引いて守ることをしないのであれば、もう少し保持の精度を高めることは必要でしょう。
(とはいってもすでにレベルはかなり高いので、今回たまたまうまくいかなかっただけなのか、今後見極めたいと思いますが…)
グリーズマンが落ちることによって相手のハイプレスをかいくぐることができれば相手も下がらざるを得ず、#46で述べたようなエルモソコケのダブルピボーテも効いてくると思います。
「通ればラッキー」の無謀な縦パスやフィードはいただけません。


完全にしてやられた後ですが、こうやっていろいろ書いているうちに次節が楽しみになっているんだから不思議ですね。
久しぶりの負けだったのでいつもより長めに書いてしまいました😅

読んでいただきありがとうございました!
それでは~


記事を読んでいただきありがとうございます。 よろしければサポートもお願いします🙇‍♂️ 頂いた分は記事のネタ作りに使わせていただきます!