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【ウイスキー】スコッチ⑥ アイランズ 〜北〜

ウイスキーを飲み始めると、わからない言葉が色々と出てきますよね。
その中でも外せないのが、「アイランズ」という単語。

スコットランドに浮かぶ様々な島々でウイスキー造りが行われていますが
どんな島で造られているのかは意外と説明ができないものですよね・・・
より楽しくウイスキーを嗜めるように、しっかりと解説していきます。

1.   そもそもアイランズとは?

「アイランズ」とは言葉通りスコットランドの島々のことを言います。
しかし、全ての島のことを指しているわけではなく、
ウイスキー造りが行われている島々を一括りにそう呼んでいます。

具体的には、2つの区域の島々のことを指します。
①スコットランド北端 オークニー諸島
②スコットランド西端 ヘブリディーズ諸島

もっとも、最近はウイスキーブームの波でスコットランド各地の島々で
ウイスキーが造られ始めていてそれはそれでワクワクしますが…
まずは歴史の流れを知るために
上記①②にスポットライトを当ててみましょう。

2.   オークニー諸島とは?

まずこの記事では
①スコットランド北端 オークニー諸島について触れていきます。

オークニー諸島とはスコットランドの北の果て、
北緯59°(参考:北海道稚内市で北緯45度)に浮かぶ約70の島々。

北の果てにはあるものの暖流の影響で冬でも平均気温が
氷点下にはならないため、美しい自然環境に恵まれ、また、
ノルウェー、スコットランド両国に支配された歴史から
混ざり合う独特の文化が魅力的です。

そんな素敵なオークニー諸島ですが、
ことウイスキー造りにとっては、綺麗な水が得られることはもちろん、
北の"果て"というところがポイントとなります。

そもそも、ウイスキー造りが堂々と行われるようになったのは近年のこと。
地酒として発展していったウイスキーは密造が基本でした。
要は、いかに税務官の目を逃れて
税金のかからない「安くおいしいウイスキー」を造れるか?
という点がとても重要だったわけです。

その点、オークニー諸島はわざわざ訪れるためには航海の必要があり
税務官が頻繁にやって来るとは思えない、格好の立地であったわけです。

3.   オークニー諸島の蒸溜所

そんなウイスキー造りにもってこいなオークニー諸島ですが
現在はメインランドという中心的存在の島で2つの蒸溜所が稼働しています。

・Highland Park Distillery
 1798年からウイスキー造りを行なっていた、
 現存するスコットランドの蒸溜所の中でも最古級のハイランドパーク。
 伝統を重んじる独特のハウススタイルで、
 今でもフロアモルティング、シェリー樽の使用にこだわり続けています。

・Scapa Distillery
 Ballantine'sのキーモルトの一つとして有名なスキャパ。
 初溜をローモンドスチル、再溜をストレート型のスチルで行う
 他にはみられない製造方法が特徴的で、
 ほのかに感じる潮の香りとともに原酒として重要な役割を担います。

4.   さらなる展開も?

数こそ2つであるものの、
どちらもスコッチウイスキー好きであれば必ず押さえておくべき
大切な蒸溜所を有するオークニー諸島。

そのオークニー諸島にはメインランドの他にも大小様々な島が存在し、
良質な水源、大麦造りに適した環境を有するところも他にもありそうなので
もしかすると今後、第3、第4の蒸溜所ができるかもしれませんね。

また、さらに北は北緯60°にあるシェトランド諸島のアンスト島に
Saxa Vord Distillery が新たにウイスキーを生産し始めました。
創業者のスチュアート・ニッカーソン氏はかつて
Highland Parkに勤めていたこともあり、
今後どのようなウイスキーが造られるのか楽しみなところです。


5.   まとめ

・スコッチウイスキーにおいてアイランズと呼ばれるのは主に2区域

・北の果てオークニー諸島メインランドで2つの蒸溜所が稼働している

・ハイランドパークは伝統を重んじる歴史の深い蒸溜所

・スキャパはバランタインのキーモルトとして有名な蒸溜所

・今後さらなる展開が楽しみな地域

※地域区分に関しては諸説ございますので、
 あくまでも大まかな分類の一例と捉えていただけますと幸いです。



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