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小さなクリスマスの物語

目前に迫ったクリスマス。今回はbar bossa店主・林伸次さんのコラムは、そんな時期にぴったりのお話です。数年前のクリスマス直前、お店に来たのは彼との今後に悩む常連客の女性でした。彼女の悩みに林さんもどう答えていいかわからず、言葉を濁していたのですが、また1週間後に来た時、その表情はガラッと変わっていました。彼からもらった手紙が理由だったそうですが、それはいったいどんな内容だったのでしょうか?

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、常連のある女性のお客様がこんな悩みを僕に語りました。「彼はすごく良い人なんだけど、児童文学作家志望で、もちろん経済的に安定していなくて、このまま彼と交際を続けて、結婚しても良いのでしょうか?」

僕はその彼のこともよくわからないので「うーん、どうでしょうかねえ。彼を信じて共働きでやっていくという手もありますし……」なんてことをもごもごと言って、その時は終わりました。

それから1週間後、彼女が明るい表情で来店しました。普段の彼女の趣味とは少し違う感じの、雫の形をしたペンダントをしていたのですが、それがすごく似合っていて、思わず「そのペンダント、お似合いですね」と言いました。すると彼女はにこにこしながら鞄から封筒を取り出しこう言いました。「私、やっぱり彼と結婚することにしました。彼、よく私に手紙を書いてくれるんですけど、今回のはちょっと変わった手紙だったんです。林さん、これ読んでみてください」

そこに書かれていたのはこんな話でした。

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