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素敵な待ち合わせ

街がクリスマスムードに染まるこの時期。幸せそうな顔でデートをする恋人たちであふれかえります。今回の林伸次さんのコラムは、そんなデートの始まり「待ち合わせ」について。バーのカウンターから、待ち合わせしている人たちを眺めるのが好きな林さん。そんな林さん胸を撃ちぬいた、取っておきの待ち合わせのお話です。

彼女が待っているのはどんな男性?

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

当店はバーという性格上、待ち合わせによく使われます。例えば6時に女性が一人で、「待ち合わせなんですけど、後でふたりになります」と言いながらお店に入ってきます。軽くて高価そうなコートをお預かりすると、下には濃いブルーのワンピースを着ています。持っているものは小さいバッグだけなので、これから近くの東急文化村でオペラを見るのか、それとも松濤の方のどこかのお屋敷でちょっとしたパーティがあるのかもしれません。

彼女が「グラスでシャンパーニュを下さい」と頼みます。僕は今日の一杯目のシャンパーニュをグラスに注ぎ、彼女のテーブルに持っていきます。すると彼女は鏡を取り出して、自分のメイクがどんな状態なのか気になってしょうがないご様子です。

彼女はどんな男性を待っているのでしょうか? 彼女は見たところ30代前半くらいだから、普通に考えて40前後の男性でしょうか。まさか彼女よりも若い男性がバーで待ち合わせなんてそんなお洒落なことはできないでしょうし。

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