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音楽ライターの兵庫慎司さんに日本のロック業界とコロナの影響についてインタビューしました、と7月22日の日記

フリーの音楽ライターの兵庫慎司さん(1968年生まれ)に、日本のロック業界のことと今回のコロナの影響のことについてインタビューしました。

─フリーになる前に長く勤めておられた、ロッキング・オンではどんな仕事をしていたんですか?

「編集もライティングも広告営業も。普通、出版社って、編集部、広告部、販売部とか分かれてるけど、ロッキング・オンは全部編集者がやるのね。

僕が新人の頃は広告部とかあったんだけど、そこにいた時、部長だった上司の田中宗一郎が──広告代理店出身なんですけど──『広告部をなくして、記事を作っている編集者が自分で広告営業をやった方が、話が早くないですか?』って提案して、社長の渋谷陽一がそれに乗って。

2000年からロック・イン・ジャパン・フェスが始まって、何年かはフェスの部署にいたこともあります」

ー雑誌の売り上げよりフェスの方が売り上げが良くなったのは、いつ頃からですか?

「2000年代の後半くらいからかなあ。フェスは最初からうまくいったんだけど、あそこまで化け物みたいな規模になるとは、誰も思っていなかった。2019年の段階で、1日に7万人とか来るの。サマソニよりもフジロックよりも全然多い」

─その勝因はなんだったんでしょうか?

「渋谷陽一がフェスの天才だから、だと思います。いつも言っていたのは、『俺は客のプロだ』と。フェスの運営側のスタッフって、お客さんのストレスを気にしてなかったんですね。入場に2時間並ぶとか、仮設トイレの行列で延々と待たされるとか、みんな『フェスってそういうもんでしょ、お客ががまんするもんでしょ』と思っていた。

でも、渋谷陽一はそういうのを全部直した。ロック・イン・ジャパンも、1年目は、運営を業者に任せたら、そんなふうに行列だらけになってしまって、現場でブチ切れて。で、2年目からは全部自分でやるようになった。

『お客さん全員が15分で入場できるようにしろ』『そんなことしたらとんでもないカネかかりますよ』『いいからそうしろ』って、入場口を巨大にして、本当に15分で入れるようにした。

よく憶えているのが、フェスの時にお客さんの駐車場用に借りる空き地、年に一回しか使わないのに、工事してクルマの出口を増やしたの。お客さんが、『今日のフェス最高だった』、と思って、帰りにクルマに乗った、2時間出られません、ってなったら、楽しかった思い出が吹っ飛んで、出るのに2時間かかったのが思い出になってしまう。それじゃあ来年は来てくれない、と言っていて。なるほどなあと」

※この文章だけ単品で100円で買えますが、400円でこのマガジンを購入すると、1ヶ月30本くらい読めるので1本14円です。そちらがお得です。 毎日、恋愛ネタや飲食店ネタを書いてますが、僕としては「林伸次の雑誌」と思ってまして、全部が興味あることじゃなくても、その中でいくつか面白ければ、後は読まなくてもいいや、400円の雑誌だし、っていうようなマガジンを考えています。

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