僕の三つの素敵なところ

20年前の当時、みんなのアイドル的な存在だった彼女が、僕のような何でもない男の求愛を受け、そして結婚してくれた。

そのことについて、当時の彼女の友人たちはすごく不思議に思ったみたいで、みんなが彼女に「どうしてあの人を選んだの?」と質問したらしい。

彼女が死ぬ前日に病院のベッドの中で、その当時のことを楽しそうに話してくれた。

「どうしてだったの?」と僕が聞くと、彼女はこう答えた。

「あなたには三つの素敵なところがあったの。どこでも寝られること、誰かの悪口を言わないこと、そして世界で一番誰よりも私のことを好きだったこと」

「最後のはどうしてわかったの?」

「あなたの顔に書いてあったわ」

「今でも書いてある?」

「書いてあるわ。あ、泣かないで。消えてしまうから」

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