理想の一日。

、カーテンからの木漏れ日で目を覚ます。
時間は7時前くらい。歳によって変わるのだろうけれど、今はこのくらいがちょうどいい。カーテンを開けて光を部屋に取り込み、窓を開けて胸いっぱいの新しい空気を自分に取り込む。

面台に行って、顔を洗い、うがいをし、歯を磨いてから、コップ一杯の水を飲む。まだ、少し眠気が残っているので、マッキネッタを使ってエスプレッソを入れる。いつかの映画で聞いた、「STRONG COFFEE 」というのはこのくらいの濃さだろうか。

が覚めてきたので、布団を畳んで軽めの掃除をする。
「今日は、昼前に友達と会うから髭を剃らないとな」と思いつつ、シャツを脱ぎカゴに入れ、「あ、洗濯もしとかなくちゃ」と頭の中に予定を組み込む。

んだんと慣れきて、大人になれた気がするクラシックシェービング。
お湯を沸かしながら、道具を準備する。ついでに洗面所の掃除もする。慣れてきたといっても、まだ一つ二つ、肌に傷をつけてしまう。贅沢な時間の使い方をしながら、大切な紳士になるための儀式を執り行う。
少し、肌が引き締まった気分になって、今日着る服を選ぶ。選ぶといってもそんなに種類はないので、適当に気分に合ったものを取って、頭はもう朝食のことを考えている。

ぐにでも、朝食に取り掛かりたいが、後のことを考えて先に洗濯物をしよう。文明の力に頼って、全自動洗濯機にお仕事を依頼する。 

あ、ご飯を作ろう。冷蔵庫を開ける。卵とソーセージ、レタスにキュウリにトマト!そして、昨日のうちに作っておいたパン。父なら近くのパン屋さんに散歩がてら買いに行くだろうな。
今日は特別にバジルソーセージにしよう。フライパンにソーセージを入れ、焼けてきたら卵を入れる。茹で卵も捨てがたいが、今日は出来立てのパンに目玉焼きをのっけたい気分なのである。焼いている間に、サラダを作り、パンを切り分けトースターでこんがり焼き上げる。あ、そうだ紅茶も淹れちゃおう。


部出来上がったら、プレートに盛り付け、「いただきます!」
目玉焼きトーストにかじりつき、黄身がとろけるのをこぼれ落ちないように気をつける。サラダには、オリーブオイルに赤ワインビネガー、塩胡椒をかけていただく。この組み合わせマリネなんかにも使えるのに便利。紅茶を飲んで一息、幸せを噛み締めていると、誰かにも伝えたくなる。慌ててプレートの写真を撮り、食べかけを見せても大丈夫な人に送りつける。「贅沢な朝だな」と言われつつ、ほくそ笑む。

喫して、洗い物をしていると、そろそろ全自動洗濯機は仕事を終え、私の出番がやってくる。ベランダに洗濯物を干す時間が好き。日によって、音楽を聞いたり、ラジオを聞いたり、オーディオブックを読んだりする。

だ、時間は8時半くらい。約束の時間までは少し、時間があるので、noteとかを巡回する。綴られている文章に共感しまくり、「コメントする勇気はなかなか出ないけど、スキだけじゃおわらしたくねぇー」と一通り、独りで盛り上がる。自分も、何かしら記事を仕上げる。自分の中の目安は600ー800くらい。

うこうしていると時間は10時前。待ち合わせは駅に11時半。まだちょっと早いが近くの本屋に寄ろうと決心。財布と携帯、カメラとKindle。と思いきや、この前新調したブックカバーを使いたいので積読を本棚から抜き取る。それだけカバンに詰め込んで、腕時計で時間を確認しながら家をでる。家の鍵はいまだに、高校生の友達からもらったスヌーピーのキーホルダーをつけている。キーケースが欲しいと思いつつ、あのスヌーピーのナルシストっぷりがたまらず、そのままだ。

刻表にゆるく従いながら訪れた路面電車に揺られながら、駅まで本を読む。2、3日前に待ち合わせ場所と時刻だけ決めて、「今どこ」なんて野暮なメールは送らない。書店に入り、新刊を眺めつつ、単行本、文庫本、新書、洋書コーナーを眺める。たまに立ち止まって、なんだかんだで5、6冊買ってしまう。漫画コーナーを横目に、「今日会うあいつに今の流行を教えてもらおう」と決める。

刻は、11時20分。外に出て、ふらふらと歩いて待ち合わせ場所に行く。「まあ、あやつは5分くらい遅れてくるだろう」と鷹をくくる。予定通り?5分遅れの友人とその場でどこに行くか決めてランチを食べに行く。そのあとは適当に隠れ家みたいなカフェを見つけ出し、コーヒーを追加注文しながら2時くらい。延々しゃべってるわけでもなく、ちょくちょく話しながら、二人とも自分の好きなことを言い合って気分が良くなる。

て、友達とは「ありがとう」と言って別れたあと、夕食の食材を買いにスーパーによる。今日は今朝からイタリアンの口なので、アクアパッツァにしよう。私はこの”狂った水”を飲むのが好きだ。炭酸水とチーズもいくつか買っておこう。映画も何か決めておこう。

に着くと、冷蔵庫にしまうものはしまい、ベランダの洗濯物を取り込むついでに、育てているイタリアンパセリを摘んでくる。アクアパッツァ を中心にテーブルに料理を並べ、映画を見始める。炭酸水にレモンを入れ、チーズをかじる頃には、涙腺が崩壊し始める。

う少し早く済ませればよかった思いながら、シャワーを浴びる。「そうだ、今度は銭湯に行って、そしてフルーツ牛乳でも飲もう」と、頭の中のスケジュール帳に書き込む。歯を磨いて、コップ一杯の水を飲み一日の終わりの儀式とする。

日の心地よい疲れと共に、筋トレをサボった言い訳を考えながら、布団を敷いて横になる。部屋の明かりを消すとだんだんと夢うつつ。




あぁ、これは夢だったのか。


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