生と死と命について
今日も地球上のどこかで、誰かが息絶えている。
人生を謳歌したもの、最後もまで生きたいと願ったもの、死など予期せぬうちにときが来たもの、様々だろう。
ただ、そのほんの少しも、ボクらは知りもせず生きている。
人の命とは何か。
人間らしさはどこからくるのか。
人の命と人でないものの命の差異は何か。
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ある日、テレビやネットニュースが人が死んだという。
みな、口々に可哀想ね、物騒な世の中ね、など哀れみや同情の言葉を並べる。
その中に、どれくらい本気で悔やみ、心痛に涙を流したものがいるだろうか。
それさえもわからない。
そんなボクらは人間と言えるのだろうか。
***
人は誰しも、なぜ生まれてきたのかも、何のために生まれてきたのかも、どう生きるのか、どうして死ぬのか、死んだらどうなるのか、訳もわからずもがきながら生きる。
そのうちで、裕福なものたちは、それらを考えふけり、そうでないものは今日生きるのことに力を費やす。
愛されるものは幸せである。生きることが肯定されるのだから。
愛せるものは恵まれている。生きる価値を見出せるのだから。
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誰も答えはわからない。
答えらしきものがあっても、不安で信じることができない。
科学も宗教も文学も、確かな答えを信じさせてくれない。
ただ、人が死ねば胸がチクリとし、人が笑えれば朗らかだ。
そんな小さいなところを出発点にして、今日もボクらは生きている。
共に生きている。
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