ストーリー・オブ・マイライフ
気分転換がどうしても必要で、午後から仕事を休んでお気に入りの映画館で映画を観ることに。大雨の中、勢いで出かけたものだから正直、どの映画でもよかった。コロナ以降初めての映画館。
「男はつらいよ」か「ストーリー・オブ・マイライフ」かといえばそれは・・・迷うでしょう笑 が、今日は友人のSNS投稿でみた、後者に。 「若草物語」の実写化、ときいていた。 私は長女で下は弟の二人姉弟。 姉妹がいないうえにずっと共学なので、四姉妹とかまったく共感ができない。 小説も、たぶん一度は読んだはずだが内容は、1ミリも覚えていない。
それなのに・・・
さきほど、ぼーっとしながら帰宅。 ただただ美しかった。 映像が、人が、世界観が。 クリスマスの食卓のシーンとか演出とか、ずいぶん前のソフィア・コッポラ監督「マリーアントワネット」を観たときのワクワク感も思い出した。 私の中では勝手に、ロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムにつながるイメージ。
そして、老若男女たくさん出てくる「登場人物全員に、共感できる作品」であった。 性別、年齢問わず。 こんなことは今まで観た映画では、記憶にない。 (私は年に数本しか映画を観ないし、基本的に記憶力がわるいからかもしれないが)
なぜだろうと考えてみた。
共感の理由1. 痛みをたたえるから人は輝く
見目麗しい長女のメグ、主人公の次女ジョー(注:今調べるまで、ジョーが長女や思ってた汗)はもちろん、ローリーもエイミーもベスも、伯母さんも誰もかれも皆イタい。 イタすぎる。 でもその痛みをないものにせず、かといって自暴自棄にもならず(なりつづけず)、愛をもって自分に、人に向き合う。 見守っている姿が生々しくて美しかった。
共感の理由2. 本来の自分を生々しく生きている
人は皆違うんだということ。 そして、自分の本質を生きてこそ、求める幸せは手に届く、ということ。 ジョーが、ローリーへの想いに気づいて行動したときにはもう遅かった(妹と結婚しちゃった)シーンなどはもう見ていられなかったけれど涙
泣きながら「今は愛するより愛されたい! 」とママに訴えるジョーに、ママの一言「それは愛じゃない」。 愛とは与えるもの。 人にも、自分にも。 そうなのか。 そうなんだね・・・って、今でも余韻のあるシーン。 逃げ出したいくらいつらいだろうに、家族としてエイミーとローリーを祝福したジョー。 喪失感から? わきあがるエネルギーを使って「若草物語」を書き上げるジョー。 自分を曲げずに正直にいつづけたからこそ「若草物語」は生まれ、ベア教授と出会えた。 ラストシーンに向かっていく中、何かを手放したようなやわらかさしなやかさをまとうジョーの表情や雰囲気の変化が印象的。
共感度は比較的薄いものの、一番憧れるのは、じつは「ママ」かもしれない笑 完ぺきな母親像。 途中まで「これ欲しかったなぁ、今世ではムリだったなぁ」とヨダレがでそうな思いでみていましたが。 「私なんて毎日怒っている。 40年かけて、怒りをコントロールできるようになったのよ。 あなたはもっと、上手にやってね。 」・・・なんてチャーミング。 そうか、ママもつらかったんだね頑張ったんだねって。
そう・・・チャーミングなんだ! みんな。 だから共感できたのかもしれない。 そうか・・・チャーミング、、私にはないけど、もう一度よく探してみよう。 もしくは、今から40年かけてアンガーマネジメントするか 汗
本質を、本来の自分を生きることは簡単なことではないけれど、その人にしかできないよ、人は本来、美しいよということを教えてくれる、励みになる映画。 人は美しい。 でも、自分は・・・から抜け出したいアナタと私に、観てほしい作品。
しかしほんまに映像が、本当に美しかった。 過去と現在行きつ戻りつテンポよく進んでいくので、なおさらリアルな感覚に。 どんな監督なんだろうと思って調べたらグレタ・カーウィグさん(36)、女優さんであり映画監督なのですね。 この繊細な女性性は、ないものねだり的に、すごく好き。
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