見出し画像

[hénri]!いってきた

土曜授業後に予約を差し込んだので、制服で来ちゃった。ちょうど良かったっちゃ良かったか。

稲葉組の公演来ました!去年の埼玉の県大会で芸術総合高校の公演を見たので、あの雰囲気を感じてやっぱり楽しかったです。埼玉会館のでかいホールで、豪華なセットに華やかな衣装の怒涛の60分に圧倒された記憶が強いけど、今回はとてもじっくり楽しめた。
王子の距離感だと、手先や口元まで見れて、高校演劇の60分の枠から90分まで広がって、人物にも浸れた。イライザが正しく喋れるようになるまでの過程の丁寧さが、喋れるまでのカタルシスをどんどん引き上げていって。
いや、このイライザの発音が、思ってた以上に難関なんですね。そろそろ言えそうか…?言えてくれ…!!って思う頃ではまだ上手くいかない。引っ張って引っ張って、たくさんたくさん練習して、ふと言えるようになる。この耐久がすごい楽しい。見てるみんなピカリング大尉の気分。言わせたくなるタイミングを耐えて得られるこの快感が気持ちいい。
最初はヘンリーがイライザを拾った理由も、フレディーの思惑もちょっと分かんなくて、貴族の考えることはむずかしーやって気持ちだったんだけど、話の進行に連れて、ヘンリーにもフレディーにも普遍的な純朴な感情があることに気づいて、そこからはいじらしくて微笑ましいい彼らがたまらなく素敵で。
こんなくらいには学のない自分が、素直に楽しめる話構成が巧みすぎる。90分あっという間だった。

なによりも、それを面白く楽しく演じる役者たちがいいよねぇ。卒業生でやってると思ってたら、現役生も居るらしくて空いた口が塞がらない。どんなスケジュールでやってるの…?今年も県大会出ますよね……??
高校生だって色眼鏡は即ポイできるその演技の安定感とクオリティの高さが、小劇場って一般の空間でもしっかり輝けてて驚きでしかない。高校演劇マジックから離れても、こんな元の味を持ったままの作品ができるの、そもそもの凄さも感じつつ、数知れない努力と経験があるんだろうなと思って、感動する。マジすげぇ、羨望の眼差し。
この話が発音の話だったのもあって、基礎力が出るお芝居だなと思ったので、発音練習で噛まないのも、イライザの言えない芝居も、完璧だった。あれ、全部覚えてるってことですよね。何周言ったら、言えるようになる。ここが全部できるのが。役を演じてるんじゃなくて、もう本人が目の前に居るって思う没入感。演技でとても引き込まれたな〜って思い。これがやっぱ、自分と同年代だから、普段の何十倍もすごいなってなったし、たくさん刺激された。憧れるなぁ。

授業後に無理やり予定差し込んで、見に来て正解だった。県大会も応援してます。アフトによれば三月くらいから毎月上演やってるらしくて、その体力にも驚きを隠せない。卒業生と現役生が学校と離れたところでお芝居やる、めっちゃ面白い試みでいいなって。これからの活動も楽しみです。

マチネの時間が早くて、なんかそういうところもいいな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?