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エッセイ『わたしのマトカ』片桐はいり著 2020.4.13

『かもめ食堂』つながりで、片桐はいりさんのフィンランド旅行記まで読んでしまいました。この人の文章は面白いし、目のつけどころがとてもユニークで、ときどき声をだして笑ってしまいました。

1ヶ月半のフィンランド現地ロケ。日本人は3人の俳優と監督以下数人のスタッフ、後は監督助手、撮影監督などすべて現地クルーだったそうです。前日まで舞台の仕事で、あまり街の予習をする時間はなかったようですが、ひとり旅がお好きなはいりさんの旅行術というか、旅の楽しみ方が面白い。

ジーパンのコインポケットに1.8ユーロをいれて、何度も乗った路面電車。「小銭レベルの冒険」と書いています。野菜を買いに市場へも行きます。「地獄」という名のクラブ。白眉は、撮影が終わって、二、三日のんびりしようとでかけた農場での「ファームステイ」。オーナーが用ででかけ、ひとりになったはいりさんはサウナに入るのですが…。

『かもめ食堂』には、カウリスマキの『過去のない男』にも出ていたマルック・ペルトラも出演しています。フィンランドを代表する名優です。彼のことや、撮影現場の様子なども書かれています。撮影にはヒルトネンさんという通訳がついていて、話されたフィンランド語を翻訳してくれるのですが、ていねいにその気分も解説してくれたそうです。

「そうはも見えないでしょうけど、この人、今すごく舞い上がっています」とか。フィンランド人、特に男の人はぶっきらぼうで、シャイだから、ことば通りじゃない、というわけです。なるほどね、とも思いましたね。

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