009ヒオドシチョウ

ヒオドシチョウは年に1回発生する長生きなタテハチョウです。
平地だと5月から6月、山地だと7月くらいに羽化します。
発生直後は鮮やかなオレンジで、縁の青も美しいです。

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戦国時代の武具「緋縅(ひおどし)」が名前の由来のようです。
古い武具なので調べてもヒオドシチョウのイメージと近いものは見つからないが、おそらく当初は鮮やかな色で緋色と呼ばれる色に近かったのではないかと思われます。
このように緑の葉に止まることは少なく、木の幹や柱、岩などに止まることが多いです。
翅裏は地味で動かないと目立ちません。
樹液を好むので、翅裏はそういうシーンで撮影しやすいです。

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越冬後は吸蜜も観察機会はありますが、新鮮な個体の吸蜜は2回くらいしか撮影していません。1回はムシトリナデシコでの吸蜜です。

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今年は渓流沿いで撮影チャンスがあったので、背景に水飛沫を入れて撮影してみました。

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山地では夏でも観察機会がありますが、暑い時期には夏眠します。
そのまま成虫で越冬するのか、移動して越冬するのかなど、詳しい生態は分かっていません。
春先になると活動を再開します。
平地では3月頃から姿を見るようになります。
越冬後でも比較的綺麗な個体もいます。
柱に止まったところを広角で撮影しました。

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雄は山頂などのピークでテリトリーを張ります。
山へ行く機会の多い人はそういう姿を見る機会もあるかと思います。
雄同士で激しく争うので、すぐに翅は傷んでボロボロになります。
交尾は観察したことがありませんが、ほとんどが越冬後の交尾のようです。
産卵は何度か観察しています。
主にエノキに卵塊で産卵しますが、最初の観察は山地の柳でした。
高い位置への産卵が多いので撮影は難しいですが、一度比較的低い位置のエノキで撮影できました。
まだ半分くらいを産卵した状況です。

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鳥などに襲われて全滅することも多いのですが、多くが生き残るとエノキの葉の多くが食べられてしまいます。
そういう場合は蛹も集中して見つかり、羽化直後は多くの新鮮な個体を観察できることもあります。
タテハチョウは交尾を観察するのが難しいですが、その中ではチャンスありそうなので期待したいです。


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