020ムラサキツバメ

ムラサキツバメは以前は関東では見ることができなかった蝶ですが、現在は各所で普通に観察できます。
秋に増えて成虫で越冬するので、蝶の少ない季節の貴重な撮影対象です。
近くの公園では個体数はそれほど多くないですが、サザンカが咲くと吸蜜するので、毎年何度か撮影に行きます。

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花の状態や位置などもあるので、このように綺麗な花ですっきり撮れることは少ないです。
以前は神奈川で成虫が活動する場所に花壇があり、そこのマリーゴールドでの吸蜜が観察できました。
サザンカと違って翅を開いて吸蜜することも多いので、綺麗な組み合わせで撮影できます。
雌は翅表に青紫の部分が広がり鮮やかです。

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雄は角度によって紫に輝くのですが、思うように撮影するのは難しいです。花壇の低い位置だと角度を変えながら撮影できます。

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紫の輝きは個体差もあると思われます。
今まで撮影した中でも綺麗に撮影できた1枚です。

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晴れた日には地面での吸水も何度か観察しています。

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アブラムシの排泄物などでの吸汁も観察されています。
絵として綺麗な熟れた柿での吸汁を掲載します。
良く行く場所には柿がないので、この時だけの観察です。

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幼虫はマテバシイの葉を食べて育ちます。
産卵は主に新芽で観察されます。

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成虫越冬する蝶は秋に交尾を済ませるとも言われますが、求愛や交尾は観察できていません。
写真でも見たことがないので、交尾の撮影は難しそうです。
秋に増えたムラサキツバメは徐々に集団を形成して越冬体制に入ります。
暖かい日は集団から飛び出して活動する個体も観察されます。
以前に千葉の公園で観察された大きなモクレンの葉に形成された大集団です。

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残念ながらモクレンは落葉樹なので、この集団は通路に落下したために全滅に近い状況でした。
昼間の時間の落下だったら多くは移動することができたと思われます。
いずれにしても冬が深まると関東ではほとんどが何らかの原因で姿を消してしまいます。
成虫越冬する蝶の中でも最も生存率が低い種だと思われます。
わずかに残った個体が命を繋げて秋に増えるということが毎年繰り返されます。
秋に美しい翅表や各種の花での吸蜜を撮影するのが毎年楽しみな蝶です。

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