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「全国通訳案内士」試験 合格への道のり~(12) 2次試験の準備は「英語に慣れる」ところから


2次口述試験の内容を知って、かなり落ち込みました。「到底自分には無理だ」と思ったからです。海外生活経験もなく、英語を話すことには全く自信がありませんでした。

1次試験が終わってから2次対策を始めると間に合わないと思ったため、5月ぐらいから少しずつ準備を始めました。


プレゼン問題も、外国語訳問題も、両方とも壁は高いと思っていました。ただ「お題を渡されて、いきなりそれについて英語で話す」プレゼンというものは経験がなく、どのようなものか、どう難しいのか、全く見当がつかなかったので、まずはプレゼン問題対策から始めました。

大きな書店に行って、関係しそうな書籍をいろいろ見て、その中で一番簡単そうな下記の本を選びました。

「日本のことを1分間英語で話してみる」(広瀬直子著・KADOKAWA)

「東京」「人口」「皇室」「相撲」等80のトピックスが平易な文章で英語と日本語訳で書いてあります。これを毎日、試験勉強の始めに使いました。CDが付いていたので1日1トピックをディクテーションして、それが完了したら何度か音読するかたちです。まだこの段階では、文章を記憶しようとはしませんでした。あくまでも英語でのプレゼンというのはどういうものか、慣らし運転レベルです。


この本に続けて、「全国通訳案内士試験」対策の本に進みました。

「全国通訳案内士英語二次口述パーフェクト対策」(CEL英語ソリューションズ 江口裕之+佐治博著・DHC)

この本の使い方も同じく、CDの音声のディクテーションと音読です。ひとつのトピックを説明する文章の量も増え、使用される語彙もぐっと難しいものになります。

しかし「日本のことを1分間英語で話してみる」を勉強してみて、必ずしも難しい単語を使わなくても相当詳細なことまで説明できることがわかりましたので、「パーフェクト対策」の文章はあくまでも参考例として、暗記はしませんでした。


「外国語訳」問題対策も、なにから手をつけていいかわからなかったので、やはり本屋でウロウロしたあげく、大学受験用の参考書のコーナーで下記の本を見つけ、取り組むことにしました。

「決定版 竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本」(KADOKAWA)

「英語が話せない」⇒「すぐに話せないなら、じっくり考えて書く練習をすれば、話せるようになるかもしれない」⇒「英作文の学習」という発想でした。結果的には「日本語を見て、それを訳して英語の文章を書く」という能力と、試験での「日本語を聞いて、その場で英語に訳して話す」という能力はかなり違うことが、後になってわかりました。でも、この問題集をやったことで英語の「頻出表現」の使い方をいろいろと覚えることができたことは大きな収穫でした。

具体的には「最近は」=「These days」で「この言い回しの際には現在時制の文を使って、わざわざ現在完了を用いる必要はない」といったことや、「最初」という説明でも、文頭に「First,」と置く場合と、「at first」「for the first time」という熟語の中で出てくる場合は意味が異なる、といった、2次試験の「プレゼン」で使える「部品」ともなる表現と、使い方のコツを数多く学ぶことができました。

この問題集はかなり気に入ったので、最終的には2周やりました。


ここまでは独学で2次の準備を進めてきましたが、やはり「実際のネイティブスピーカーと話さないとなんともならないだろう」と8月ぐらいから、オンラインの英会話レッスンを週1~2回のペースで始めました。

とても運が良かったことに、ちょうど知り合いの日本語と英語のバイリンガルで、英語の講師の方が日本に転居されていたため、事情を話して試験対策に特化したレッスンをしてもらいました。

内容は「プレゼン問題」対策で、1回は「自分が日本に関するトピックスを決めてプレゼン原稿を作り、それを聞いてもらって修正してもらったり、ディスカッションしたりする」、次の回は「講師の方にトピックスを過去問から用意してもらい、それについて即興で説明する」という2回を1セットとして繰り返しました。

元々知り合いの方だったのでリラックスして話せましたし、その方自身も、日本の観光名所や習慣等に非常に興味を持っていたので、フリートークも時に大変盛り上がり、試験対策として厳しくチェックしてもらうというよりは、「英語でネイティブスピーカーと話す」ことに自然に慣れていくことができました。


ここまでが準備段階で、1次試験終了後から本格的に2次にむけての勉強を始めました。

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