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職業選択の自由

私は家業に就く前に10年間会社勤めをしました。その内6年間はアメリカにて仕事をさせてもらいました。最初の3年は全く役立っていなかったと思います。その会社の入社前面接では家業の有無を聞かれることはありませんでした。結婚する際に帰国し、上司に出席いただき、挨拶をお願いしましたが、さぞ驚かれたことと想像します。何せ私の結婚式は、サラリーマンでは考えられない規模の祝宴があったからです。後に年配の方から言われた言葉ですが、【結婚式は親の甲斐性 葬式は子の甲斐性】が今ではよくわかります。同時にコロナによりこの言葉も通じない時代センスを感じます。

自社離職率は、そんなに高くないと考えています。社員の基本的生活基盤を整え、不安を軽減し、誠実経営を貫いてきたのがその理由です。【誠実】を社員にも強く求めています。そんな中で最近2例の離職希望者が出ました。一人は来年春で在籍3年を迎える社員です。高校新卒ですので面接も学校とハローワークを通した正規ルートで、学校推薦状に基づき面接し、内定後入社しました。入社1年目あたりで、入社動機を確認したら
【家から近いので】と言われて、簡単明瞭過ぎてがっかりしたのを覚えています。潜在能力を秘めた人材だったので、丁寧に育成していましたが離職したいとの申し出。本当の理由は【自分の夢を叶えるためのお金が貯まったので】とのこと。その夢は高校生時代からのモノだと正直に告白、私は空いた口が閉まらない状態です。表現を選ばずに言うと【騙された!】と言う印象です。果たしてZ世代の特性で括って良いのか。

もう1名は外国人社員です。3回目の就労期間更新をこの2月に終えたので4年の社歴です。就労更新前には上司が面接を行い、これからの自己啓発や能力向上への意欲、抱える課題の確認を行い、継続勤務の意思を確認して、私が食事を交えて最終面談を実施、就労申請は本人と私が一緒に行うのがルーティンとなっています。当然両者が意思確認を円滑に終え(握手して)就労許可が下りましたが、4ケ月後翻意されることになりました。こちらも能力のある子で、丁寧に育成してきたので喪失感が大きい。喪失感よりも、【騙された!】感が勝ちます。社長と社員ではなく、人間と人間として接してきたのに…………..。

ここで思うのが、私の前職からの退社です。私は10年間務めましたので、
この2例とは質が異なるとは自負しますが、【辞める】という行為は同じです。因果応報なのでしょうか。仁義礼智忠信孝悌は現代では通用しないのでしょうか。騙すより騙される方が良いと思うので、人間として淋しいですが、まあ特に困ることもないのでええか!Good Luck to them. 知らんけど。

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