ハンマー(Hammer)の由来

ハンマー(Hammer)の由来は何なんだ、というお便りをいただいた。カーリングでは後攻チームのラストロック、エンドの最後に投げられる石をハンマーと呼ぶ。スコアボードに「カナヅチ」マークが付いているのを見ることがあると思いますが、あれです。

これはかなり難しい。諸説あるのは言わずもがなだが、「ホグライン」の場合のような有力な説を知らない。だから、私の知るいくつかの説を列挙する。

第1の説は「石」が語源というものだ。Hammer(ハンマー)は古い英語でhamer、hamorと表記するらしい。いずれも「石に持ち手をつけた道具」というのが元々の意味だそうだ(つまり石器時代です)。カーリングストーンも石に持ち手が付いているのでラストロックをハンマーというようになったという説だ。

あり得る話だが、説明としては少しおかしい。エンドのラストロック以外もハンドルは付いているからだ。

第2の説は「区切り」から来たというものだ。洋物の法廷ドラマを見ていると裁判官がトンカチをガンガン叩くシーンがありますね。ハンマーは決定や区切りを示す象徴のひとつで、エンドを区切る石を「ハンマー」と呼ぶようになった、という説。あのトンカチは正式には「ギャベル」と呼ぶそうだ。

第3の説は、ハンマーは西欧では「力」や「有利さ」の象徴として使われてきたから、というものだ。アドバンテージを有するという意味で、後攻チームにハンマーマークを付けるようになったのだという。日本の文化にはないイメージなのでいまひとつピンとこないが、そういうことならあり得る話だ。

第4の説は変形説だ。かつて、後攻チームを示すのに単に「X」印をつけていた(西欧では「✔︎」よりも「X」がよく使われる印象)。
ある時、誰かが急いで書いたために「X」の形が崩れ、ハンマーの形に見えた。そこから(冗談か勘違いで)「ハンマー」と呼ぶようになった、というものだ。

ちなみにこれは私が提唱する説で、昨シーズン最終日に名寄のホールのハンマーマークを見て思いついた。

2023年5月10日に投稿


ハンマー

(余談)画像のハンマーは、私が青森に住んでいたころ、大会前にスコアボードのハンマーパネルが1枚見あたらないという出来事があり、担当者から「同じようなの作っておいてくれない?」と頼まれたので「お任せあれ。当日までに『本物そっくり』に作っておきます。」と作成したもの。(とんち話?)

さほどウケなかったが、大会では実際に使われた。なお、見あたらなかったハンマーパネルは後日、無事発見されたのでご安心いただきたい。このパネルは今は使われていない(はず)。

2023年5月11日に投稿


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?