強化チーム選考規定(2023年度)

日本カーリング協会が「強化チーム選考規程」を整備したので現時点で読み取れる内容をメモしておく。
(以下は文理的に読み取った内容について述べるもので、現時点、竹田は規程整備の意図や運用を確認できていない点に注意されたい。)

1)強化チームは各都道府県協会、各チームからの申請に基づき決定する。(形式的には日本協会は主体的に指定しない)

2)重視されるのは広範な競技成績と日本協会の強化戦略プランに沿った活動をできるか否かである。

3)「ネクストエリート」「ミックスカーリング(4人制)」「学生MD」といったカテ ゴリー再編を行い、従前、対象にしていなかった部門の強化も進める。従前よりも若年層 に厚い配分とし、強化指定チームの最大数も増す。

4)強化指定期間が明確化された。

5)選考基準は客観的要素(競技成績等)と主観的要素(活動計画に対する強化委員会の評価等)を併用する。

これらから言えることはいくつかある。

ひとつめ。
従前は日本選手権の成績が実質、唯一無二の強化チーム選考基準だったが、選考基準を広範にした。
したがって、日本選手権で上位の成績を収めても強化指定されないケースもありうるし、日本選手権を欠場しても強化指定されるケースもありうる。

日本選手権に出られなければ(勝てなければ)オシマイ、という厳しさが減じた一方、広範に数多くの成果を達成しなければならない、という厳しさが増したといえる。

ふたつめ。
同程度の成果を達成したチーム同士であれば、バックアップ体制等が充実している方が高い評価を得る。
一般論としてはバックアップ体制が不足しているにもかかわらず、同等の成果を挙げたチームの方が、公支援による上積みは大きいと考えられるが、

ここにNFとして積極的に関与するというよりは、各都道府県協会、各チームの自主的な取り組みと競争に任せる方針を明確にしたといえる。強化に対し、日本協会は目標設定を行い、評価選定する立場として関与する。
(今までも概ねそうだったのだが、規程の整備によって、より明確化した。)

みっつめ。
令和5年度以降の日本協会の強化プランは現時点明らかにされていないが(強化指定の手挙げまでには当然公表されると思われる)、過去の内容から推定すると、独力で相当程度の競技環境:具体的には時間と資金、バックアップ体制を構築できなければ対応困難な内容となると考えられる。

したがって、(日本代表を目指す)選手にとっては、強力な支援組織に属すること、強力な支援組織を構築することが決定的に重要となる。
(これも今まで概ねそうだったものが、より明確化したにすぎないが。)

よっつめ。
目標設定や主観的な要素の評価は、評価者の能力が大きく問われる。したがって、NFの強化責任者(責任部門)の人選と責任体制が「結果」を出せるか否かに関する重要な変数である。

若干気になるのは、選考におけるポイント配分をはじめから細かく定義してしまったこと
で、これは責任者の裁量をむしろ拘束する要因となるだろう。(竹田は定義するorしない、のいずれに賛成する立場でもないですが。)

総体として、我々アマチュアカーラーには、ますます厳しい状況が進みつつあるといえる(今に始まった話ではない)。

敵を知り己を知れば、と孫子は言った。いずれにせよ競争相手と自身、競争環境を研究分析し、目標と実現可能な計画を立て、取り組むことが重要だと思う。(さて、どうしたものか…)

(2023年3月18日にツイート)

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