Brier(McEwen編)

祝、Brier開幕!
さて、「打倒KGB」を狙う面々についても触れておきたい。ついて来れる人もそろそろ少なくなってきたと思うが、もとより気になどしていない。(でしょうね)凍結されるその日まで好き放題Tweetさせていただく(通報はしないでね)。一人目はマイク・マキュイン(Michael McEwen)だ。

過去から現在にタイムスリップしてきたカーリングファンに「2023 Brierのオンタリオ代表はマキュインだよ〜」と言ってもまず信じないだろう。彼は多くのファンにとってマニトバの象徴であり、マニトバタックの象徴なのだ。

竹田にとっては違います。マニトバといえばStoughton、Burtnyk、Peters のBig3だ!(説明割愛)。でも、たしかに”McEwen 4”(マキュイン、ニューフェルド兄弟、ウォズの4人組)はエキサイティングなプレーもさることながら、全員がタック&ブルームデリバリーでインパクトは非常にありましたよね。

「すごいショットを決める人」といえば彼だ。しかも速くてすごい、遅くてすごい、すごいドロー、とあらゆるパターンを持っている。そこまでしなくて良いんじゃないか?と思わんでもない場面もあるが、決まっちゃうんだからしょうがない。

1980年生まれで、グッジューと同世代。ツアーで早くから頭角を現した。グランドスラムの初優勝が2010年で、2015年までに6勝を挙げた。しかし「マニトバの壁」に阻まれてブライアー出場は2016年まで待たねばならなかった。

彼の幸運と不幸はマニトバに生まれ育った事にある。マニトバ州は銀河系一カーリングが盛んな地域だ。アルバータを推す人もいるかもしれないが、それは日本のカーリング知ったか野郎が広めた貧困なイメージの影響で、カーリングという競技の浸透度はマニトバのが明らかにまさっている。(確実に炎上)

マニトバは内陸に位置し、起伏に乏しい地形で地味豊か。基幹産業は農業だ。夏は暑く、冬は猛烈に寒く、雨や雪は少なく晴れの日が多い。(十勝みたいな感じです)冬はカーリング以外することないんだもん、とマニトバ人は言う。

しかしその風土が幾多の優秀なカーラー、強豪チームを生み、カーリング文化を熟成させ、マニトバタックをはじめとする独自の技術を発展させ、カーリングを「深化」させた。(マニトバタックの話もしたいが、はじめるときりがないので別の機会に譲りたい)

マキュインはプレッシャーに弱いじゃないか、と指摘する口の悪いファンがいる。州大会を初優勝した2016年も、負けても繰り上げで出場、というシチュエーションだったから勝てた、などと言われた。(決勝の相手、ダンストンが世界ジュニアに出るため、州大会で優勝してもBrierを辞退する予定だった)

おいおい、そんな訳ないだろう?じゃあどうしてツアーではプレシャーショットを決めまくるのさ?彼がなかなか勝てなかったのは単にマニトバのレベルが高すぎるからに過ぎない。世代交代に若干の時間を要しただけだ。それに翌2017年は普通に優勝してるだろッ。お前らの指摘はクソ見当外れだッ!(炎上)

ただ、冷静さよりも情熱が勝つタイプだという評価はある(竹田評価)。実は私、昔一度試合をしたことがある。(いいでしょう)滅茶苦茶上手いのだが、ちょっとでもミスると、すぐアイスをぶっ叩いていたのが気になった(当時の話です)。今も、基本的にアツくなる性格であることは間違いないと思う。

彼らが凄く強いのにBrierに出られないのは有名だった。2015年から導入された「ワイルドカード」の恩恵を最も受けたのは彼だ。過去6回中3回救済されている(ただし残り3回は自力出場しているからスゴい)。最高成績は2017年の3位。翌2018年に”McEwen4”は解散。Brierの頂点を極めることは出来なかった。

そのあとは打倒KGBを目指して同じマニトバのカラザースと合流した。あまりうまくいっているようには見えなかったが…(竹田私見)。北京五輪後、「壁」を破りたくて再びチームを飛び出した(のだと思う)。オンタリオを拠点に新たなチームをたちあげた。

メンバーはフライ(Ryan Fry)とレイング(Brent Laing)。二人ともオリンピアン。技術は高そうだが、若さとスウィープが少々足りんと見ていたところ、リードにハート(Joey Hart、Richard Hartの息子。デカい。)を入れてきた。親父もコーチとしてチームに参加する。かなり上積みが期待できそうだ。

余談ですが、引退したDawn Askin(JJの長年のリード)と結婚している。
それもあってマキュインは今オンタリオに住んでいるのだと思う。(←指摘受け訂正。現在もマニトバ州ウィニペグに住んでいると思います。オンタリオのチームには、レジデンシー外のメンバーとして参加している模様。)

昔アンケートで「今までで最高の成果は?」の質問に、皆「五輪出場」とか「Brier決勝進出」とか書いてるのに、ひとり「妻をつかまえられたこと」と答えていた。

勝ち負けを超えて「次は何して来るんだろう?」と、皆、ワクワクしながら彼のゲームを見ている。そんな選手はなかなかいない。KGBの壁は厚いが、彼ならば超スーパーショットで逆転してくれる、とファンは期待を寄せている。はたして今年はどうか?彼のゲームを、ショットを見逃すことはできない。

(2023年3月5日ツイート)

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