【9月30日】マーケットレポート　『楽天証券、仕組み債販売停止』

本日の市場

●株式市場&債券市場

…取引開始前に発表された「新規失業保険申請件数」が市場予想を下回ったことで、賃金上昇圧力およびインフレ懸念が強まり、相場の重荷となった。バンク・オブ・アメリカがアップル株の投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたことで、アップル株は5%近く下落。
債券市場では、米10年債利回りが一時3.8%台まで上昇。ハイテク株に敏感なナスダックも下落。

Googleファイナンスより（9/29終値）

…日経平均株価は反発。前日の欧米長期金利の低下や米株式相場の上昇を受け、東京市場でも買いが優勢だった。

Googleファイナンスより（9/29終値）

●為替相場

…英イングランド銀行の国債購入に伴った米長期金利の下落が再上昇したことを受け、円売り・ドル買いが増えた。

Googleファイナンスより

本日のトピック

①楽天証券、仕組債販売停止

楽天証券は9月末にすべての仕組み債の取り扱いを停止する。
・”仕組み債”とは債券に金融派生商品を組み込むことで、一般の国債などより、高い利回りを期待できる商品
・一方で、その特性やリスクを十分に把握することが難しい
・「販売時に十分な説明がなかった」「元本保証だと思っていた」などの苦情が相次ぐ
・（金融庁によると）3ヶ月で元本の8割を既存したケースもあった。
・2021年度の仕組み債の販売額は4兆円超に及ぶ

②10月からの値上げの波、1年あたり7万円家計負担増

食品や家電など幅広い製品の価格が10月から一斉に上がる。
・食品の値上げは約6600品目に達し2022年の月別で最多
・家計の負担は食品だけで年7万円増
・ビール大手4社、4~13%値上げ
・マヨネーズ、3~15%値上げ
・吉野家の牛丼、22円値上げ（並盛448円）
・鉄道、22%値上げ

③日本製造業、4期ぶりに改善するかも

・日本大企業製造業の業況判断指数（DI）は+11(前回比+2)と改善する見込み。
・（中国上海でのロックダウンが6月に解除されたことを受け、）部品の供給成約が和らいだことを受け、自動車産業を中心に改善を見込む。
・一方、先行きは海外経済の減速懸念より横ばい

④ベトナム、7~9月期GDPが前年比+13.6%

ベトナム統計局が発表した2022年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比+13.67%増だった。
・四半期ベースで成長率が2桁を超えたのは初めて
・（要因①）対米輸出が前年に比べ、2割以上のペースで拡大
→対米中立が深まる中、中国からベトナムに生産拠点を移そうとする動きも続く
・（要因②）個人消費が伸びている
→入国制限の緩和の動きが早く、観光客の入国も増えている

個別銘柄関連トピック

①ローソン、営業利益9%増

ローソンの2022年3~8月期の連結営業利益が前年比9%増の290億円前後になったことがわかった。
・売上高、4800億円（前年比+38%増）
・営業利益、290億円（前年比+9%増）
・（要因①）競合である中国コンビニが営業停止や時短営業になったこと（上海エリアなど）。
・（要因②）粗利益率が高い冷凍食品（まちかど厨房）の収益の高さ、が挙げられる。

②コーセー株価5%高、投資判断引き上げが好感

化粧品大手のコーセーは、29日の東京株式市場で、前日比5%高の1万4560円をつけた。
・（要因①）新型コロナウイルス禍からの経済再開で、国内の化粧品市場の回復による増益期待による。
・（要因②）外資系証券による投資判断の引き上げも好感。

③西武HD、今期の純利益下方修正

西武HDは2023年3月期の連結純利益を750億円になる見通しだと発表した（従来予想を70億円下回る）。
・売上高、4160億円（前年比+5%増、従来予想を270億円下回る）
・営業利益、130億円（前年赤字、従来予想を180億円下回る）
・（要因①）テレワークやリモート授業の定着に伴い、鉄道事業が落ち込む。
・（要因②）ホテル・レジャー事業は、国内ホテルの客室稼働率が従来予想より落ち込む。
・今後は水際対策の緩和に伴い、個人訪日客による宿泊需要の回復を目指す。

④DCM、株主還元を強化

DCMホールディングスは80億円を上限（発行済株式総数の5.49%）とした自社株買いをすると発表。
・年間配当40円（7円増配）
・取得期間は2022/9/30~2023/3/31
・取得後は消却予定
・巣ごもり消費で園芸用品やDIY関連用品の販売が伸び、手元資金が膨らんでいるため。
・【22年3~8月期】売上高、2388億円（前年同期比+4%増）
・【22年3~8月期】純利益、121億円（前年同期比▲10%減）
→木材などの原材料価格や水道光熱費の高騰による採算の悪化が原因。