再生ファンドのメソッドが「『死ぬほど』考える」だった件

 これは、銀行員時代に転活で再生ファンド行った時、質問タイムで
「再生の手法ってなんか研修とかあるんですか」
等という、今にして思えば顔に火がつきそうな恥ずかしい質問をしたのですが、面接官のベテラン再生マンはフフッと笑いながら「死ぬほど考えるんだよ」と言われたことを今でもたまに思い出します。

 その面接はボコボコにされて落ちたので、当該再生ファンドとはご縁は無かったのですが、その後の人事異動の結果、本店に異動した私は「死ぬほど考える」の意味を知ることになりました。意味の分からない業務、無いマニュアル、別室に軟禁してボコボコに詰める上司、自分だけの担当、迫る期日、係わらない先輩、溜まり続けるメール、鳴りやまない電話、迫る期日、私は1年後に難聴と心臓の痛み、蕁麻疹で全身ボコボコになり、最後は起き上がれなくなって倒れました。

 その後暫くして転職したのですが、その後の業務が今にして思えば当時本店でボコボコになりながらでやっていたのと質的には同種の物だったのでした。そして、それを最早特に苦痛を感じる事無くできてしまっている事に気が付きました。私は、いつの間にか、意味の分からない企画系の業務を克服していたのです。恐らくですが、これはハンター×ハンターで言う所の蟻編の念パンチ、要は強烈な一撃で殴られて生き残る事で覚醒する(それでしか身に着かない)サラリマンとしての能力があり、それが発現したのではないかと思っています。

 この念パンチ時に生き残って能力が発現するか否かは、様々な要素で判定されると思っているのですが、その内容としては、これまでに考えた経験、蓄積した体系的な知識、根性、気合、体力、運等の要素があります。なので日頃から本とか読んだり色んな人と話しておくのは、いざ実際に念パンチを喰らった時に大事なのだと思います。

 これとはまた別に、偉くなった人が「若い時に一度全力で仕事した経験で今がある」みたいな話をしているのを耳にすることがよくあり、昔は意味分からん老害だなと思っていましたが、今にして思えばこの念パンチの事を言っていたのではないかと思っています。念パンチを受けるのは若い内でなければ、まず耐え切れずに倒れて二度と立ち直れないので、受けるならば20代の内。要は、若い内に死ぬほど働く(考える)のは実は、サラリマン人生を長い目で見た時にはコスパ悪くないのではないかと思います。

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