ロケットになりたい

僕は空を飛びたい。
それも、ただ空を飛びたいんじゃない。急速に空を飛び上がり、瞬く間に宇宙へ到達する、そんな空の旅に憧れる。

現時点でそれに近いのは「ロケット」だろう。

ミサイルなんて意見もあるかもしれないが、兵器という時点で負の印象がある。却下だ。僕は空へ舞い上がりたいのであって、何かを破壊したい訳ではない。

なぜ空に？
というより何故「ロケット」に？という意見があるかもしれないが、これは自分の中では逃げると同じ考えだ。

いや、ほぼ逃げ。
空高く舞い上がり、誰にも追いつけない速さで、誰にも追いつけない場所へと到達したい。それには「ロケット」がピッタリなんだ。

なぜ…こんなに逃げたくなるのかって？
それは檻にいる鳥と同じさ。閉じ込められた者は逃げ出したくなる。そんなものさ。

多分…誰でも同じだと思う。
社会、学校、企業とか、なんらかの組織や集団に属している限り檻の中に閉じ込められているのと同じなんだ。

みんな檻という実感がないだけ。
でもきっと気付くはず。自分は檻の中に閉じ込められているって。

あたりを見回してごらん。
自分を側から見て、客観的に判断してみてごらん。そうすると自分が今、どの位置にあって、どうしようもなく逃げ出したくならないか？

なんか中二病みたいな話になってしまったけど、僕はみんなが檻の中に閉じ込められているようにして見えない。自分もその1人だ。その檻から解放されたい。看守が追ってこれないまでの速さで、遠く遠くの場所へ逃げたい。

つまり「ロケット」になりたい。

でも現実にはなれない。
どんなに願いを込めても、神様がいないから叶わない。だから、僕が解放する。そしてみんなを解放しようと考えたんだ。

本当は争いを好まない僕は、一生懸命に頑張った。たまに倒れて動けなくなる人もいるけど、それでも頑張った。看守を撃ち倒し、撃ちまくり、撃ち続けた。

でも上手くはいかなかった。

僕は今、檻の中。
明日には宇宙まではいけないけど、雲の少し上には行ってしまう。もう檻の中にはいなくて済むけど、やだなぁ…やだなぁ…。

あぁ、「ロケット」になりたい。