Netflix「新聞記者」

Netflixで配信のドラマ「新聞記者」が話題なので、イッキ見した。面白かったが少々気になる点も。

これは東京新聞の記者、望月衣塑子さんの著作が原作とのこと。実際にあった森友学園の問題を扱っている。登場人物はもちろんすべて仮名だが(海外なら実名でやるところだが)、直近の政権が絡んだ事件を扱ったのは、地上波ではなかなかできない試みで、おそらく広告に依存しないNetflixだからできたとは思うが、そこは評価したいし、続きがどんどん見たくなる展開もよかった。何より、キャストがいい。主演の米倉涼子さんは言うに及ばず、吉岡秀隆、田口トモロヲ、岩松了、ふせえり、でんでん、萩原聖人、など錚々たる面々が上質の演技を魅せてくれる。

が、主にフィクションとして足された部分が私には気になった。まずは、町山さん絶賛の横浜流星くん。彼は最初、政治に関心のない若者として登場するが、先輩の影響などで徐々に政治に興味を持つようになるという、一般の人の立場に近い位置の役なのだが、後で、実は彼が自殺した赤木さん(に相当する人)の甥であることが明らかに。え、するとさ、後に彼は新聞記者をめざして見事就職するのだが、その主たる動機が「家族にそういう人がいたから」に還元されちゃうと、身内にそういう人がいない人はやはり動かない、ってことになっちゃわない?だからその親戚設定は別にいらんのではと思った。同じ構造は実は主人公にも言えるのだが、彼女も兄が…という過去を抱えているのだが、別にみんな家族の問題を動機にする設定はいらんかったのでは、と思う。

後日、実はこのドラマは赤木さん遺族の同意を得ていないここと、そのために当初は赤木妻にキャスティングされていた小泉今日子さんが降板したと知った。ちょっと現実に即してない面あるものなあ。小泉版、是非とも見てみたかったところ。

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