マガジンのカバー画像

雑記集

574
雑草という名前の草はない。 雑記という名前の記事もない。
運営しているクリエイター

2018年3月の記事一覧

セッションのミルフィーユ

セッションのミルフィーユ

書くことで、整理して伝えることができます。

誰かに会ったとき、その場が過ぎてから「あの時、こんな風に言えたら良かった」というようなことを思いつきます。思いついたところで、その場は過ぎてしまっているので、心の中で唱えるだけです。

また、声をかけることのできる距離が保たれている場合でも、会話の「間(ま)」が開き過ぎてしまうと、もう言い出せなくなって、結局心の中で処理します。良きタイミングで

もっとみる
ハウリング 〜適度な間合い〜

ハウリング 〜適度な間合い〜

強い主張は、同じ強さで跳ね返されることがあります。もしくは、一見受け入れられたようでいて、まるで本質を見てもらえずに受け流されるかもしれません。

落ち着いた態度でいることで、相手も静観してくれます。じっくり考え合ったり、お互いをちゃんと認識することができます。

考える隙を与えないようにまくし立てたりすることは、本当のことから目をそらさせてしまうでしょう。行動と心はひとつのもである、と考

もっとみる
ちりとりにすくわれる

ちりとりにすくわれる

最近、母方の祖母が亡くなったので、葬儀をやりました。葬場で棺に入った祖母の姿を見るのですが、そこにあるのは「器」であって、中身といいますか、主はもうおりません。不思議な気持ちになりつつも、冷静な自分を自覚します。

ところが式次第もすすみ、お経や講話も終わり、最後に花を棺いっぱいに入れ、蓋をして霊柩車に運び入れるところになると、涙が自然とこぼれ落ちるのです。さっきは目の前の祖母の遺体は「器」だ

もっとみる
白磁器の天球

白磁器の天球

舞台の上で、適当なことをしゃべった。

大柄な人と、小柄な人が舞台上にいた。

たぶん僕の知り合いで、多少の失礼をはたらいても怒らない。

僕は大柄と小柄の2人に適当な名前をつけて、呼んだ。

即興劇のはじまりだ。

お客の反応は悪くない。そこそこ受け入れられている。僕は少し、調子に乗った。

場面転換も自由におこなうことにした。

物語のはこびも適当でよい。

もっとみる
血の縁

血の縁

生物と無生物の間を思う。

呼吸をやめて、冷たくなる、その前と、後。

一体何が違うのだろう。

「生」は「秩序」だ。

体を、温度を、保っている不自然な状態。

「生」が、「秩序」が失せると、それらは解きほぐれて、ちりぢりになっていく。

永遠には保てない。

いれものを替えて、移り変わっていく。

たくさんの名前も知らない先祖のおかげで、今ここに自分があることを

もっとみる