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雑詩集

64
詩的で私的なタイムライン。
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2018年9月の記事一覧

霧中の声

霧中の声

ふかい森

霧がでている

手のひらをみて

かすむくらい

遠くで声がする

音がまわりこむ

声の主は

どこにいる

目をとじて

耳をすませてみると

声の主は

ここにいる

老いぼれて死ぬときに

老いぼれて死ぬときに

老いぼれて、死ねたらいい。でも、老いぼれる前に死ぬかもしれない。

老いぼれて死ぬときに、あれもできた、これもやれた、と思って死ねたらいい。老いぼれて死ぬときに、あれもできなかった、これもやれなかった、では、すこしさびしい。

老いぼれて死ぬときに、あれもできた、これもやれたと思うか、あれもできなかった、これもやれなかったと思うかどうかは、どうやって決まるんだろう。

老いぼれて死ぬと

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