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道迷いの瞬間…

歩きながら「低山ほど道迷いが多いんだってよ」って話をしてました。山菜を採りに入る人の道、林道整備の人の道、電気や水道のメンテナンスの人の道、そして獣道。山にはいろいろな道っぽい道筋がついているものです。

今日は当初の予定では谷川岳の紅葉登山をする予定でした。しかし!ここ最近の低気圧のせいで、谷川岳は雪を被ってしまいまして、しかも本日の天気予想は昨日の段階で「D」判定!!「D」というのは「最悪」ということです。行ってはいけないと天からくぎを刺された状態でした。(編集後談:天気は「A判定」に変わってました(j_j))

じゃあしょうがないから、二週間前にも行ったけど、体力トレーニングということで、筑波山にもう一回行こうということになり、前回とは逆のコースで、しかも少し内容を変えて登ってみようかということに。

予定変更で筑波山に登山することにした

さて、本日は晴天なり。

さらに、コロナのいろいろな制約が外れていますよ。何が起きていたかというと!小学校と幼稚園の遠足解禁で、あちこちの学校が一気に押し寄せていたのです。その数ったら小学校が5団体くらい、幼稚園が2団体くらい。まさに烏合の衆です。

筑波山神社→迎え場コース→つつじヶ丘(ロープウェイ乗り場)→おたつ石コース→女体山

という予定を組んでいましたが、おたつ石コースは遠足のメッカです。もうすでに青とか黄色とか緑とかの帽子の軍団が登り始めていました。まだ下にはピンクとか赤とかが整列して待ってます。

いやあ、これは無理でしょ。いくら何でも無理。渋滞どころの問題じゃない。

メインのコースではないコースを見つけた

というところで、YAMAPで登山記録をつけている身としては、地図上は現れている新たな道に進まないわけにはいかないでしょ、と、大きくぐるっと迂回して別の登山口から女体山を目指すコースを選ぶことにしました。時間としてはプラス1時間くらいでしょうか。

道迷い注意というお墨付きのコースらしく、YAMAPという登山アプリでは数日前に歩いた人が迷いそうな箇所にチェックを入れてくれています。

しかもトイレの脇の目立たない階段がコースの入り口。もはや誰もそちらに向かう人はいません。行くしかないでしょー(^_-)

そのまま階段を下りてしばらく進むと、気持ちのいい林道が始まりました。もちろん誰もいません。こんなに気持ちがいいのに、平日だし、たぶんよほどの人じゃないと選ばない道なのでしょう。

林道をしばらく行くとすでに二股に別れてる道に遭遇。しょっぱなから、どっち??な選択を強いられました。案内立て看板は立ってるのですが、微妙にどちらの道をさしているのかわかりません。GPSの道に添っているのがどちらなのかだけを頼りに右の道を選びました。

なんとか正解。

その先で林道が山中に向かっていき、高い木々に囲まれた山道に入りました。空は晴天なのに、木々が高いせいで木漏れ日のみの明るさの中、辺りは幾筋もの清流が流れる似たような景色の風景。道とおぼしき人の通った道筋だけを見ながら相方と談笑しながら歩いていました。

川に行き当たり、そのまま川筋に沿って道が続いているようなので登っていくと、あれ?なんだか道がはっきりしなくなってきました。

あれ?これが道迷い?

手元のGPSを見ると方向は合ってるようだけど微妙にズレてる。んんんん??相方にちょっと待ってと言い、下まで確認に行ってくると言い残し、元来た道を戻りました。

数十メートル戻ったところで、川の辺りに朽ちた看板が立ってました。子供たちの大群のいた「つつじヶ丘」と書かれた矢印の看板です。完全に見落としていました。そのそばには、「8」というコースナンバーが付けられた木が。

そこで川の対岸を見渡してみると、そこにも「8」の木が!!ここで川を渡らなければならなかったのだ。

石がポンポンとただ置いてあるだけの小川。まさかここを渡るとは思ってもみなんだ。

お〜い、お〜い、戻って来てよー、と連れに声をかけるが、返事がない。どこまで行っちゃったんだろう。

仕方ないのでもう一度迷った道の方へしばらく歩いて声をかける。かなり上の方からどこ〜?と返事が来る。間違えてたから戻ってきてよー、もっと下だよーと言うと、しばらくしてようやく下りてきた。

川のところの壊れたサインを指さして、これを見落としたと告げる。さらに「8」の木を2本見せる。これを頼りによそ見しないで歩かないといけないね、と確認する。

川を渡るとそこでも分かれ道。道は上にも右にも伸びている。当たり前のように上に登りそうになって、でもしっかりした道は右の道のような気がして引き返すと、右の道への入り口のところに大きな岩があって、その前に朽ちた立て看板。ここにあるということは、右の道が正解なんだろうと踏んで右の道を進む。

しばらくは何も見当たらないけど、今度は木に紐が結ばれていて、それも登山道である印だ。また進むと「8」の付いた木が出てきた。もう大丈夫。

山は時間と天気が大切

まだ午前中で、天気は快晴。これから急に変化する予報もない。こんな安全な時間帯だから安心して迷えた。おかしいと思ったら引き返せばいいだけだ。

これで例えば霧が発生したり、天候が急変したりしたら、道迷いになってしまうんだろうなあと思う。あまり人が使わない登山道だから、大事なサイン看板が朽ちたままになっている。そんな場所は他にも数箇所あった。倒れていて方向さえ分からない看板もあった。

低い山ほど道迷いが起きるというのは、登山者が少ない山だったり、夏の間薮になってしまったりする山で起きやすい。そのまま進んだまるで人が踏み固めた道のように見えた道は全然違うものだった。

そういった疑いを常に持って、周囲に気を配って歩かなければいけないな、と反省。

1日の登山をトータルで考えると

しかし、人に会わない山というのはいいものです。もう自分たちだけの景色だもんね。高い木々に囲まれて、鳥のさえずりと水音だけしか聞こえない。

そんな場所がまさか筑波山にあったとは!!偶然の産物とはいえ、驚きの連続でした(^_-)

その後の登山道は順調で、10月から冬期閉鎖のキャンプ場までをトレッキングした後、筑波山の女体山に向かう登山口から頂上を目指しました。

下りてくる人3人とすれ違っただけで、小一時間の間ほとんど人影はなし。なんと味わいの深いルートでしょうか!!!山頂近くなってきてやっと、「てっぺんだー」という子供たちの歓声が聞こえてきました。いきなり人の多い稜線にポッと出たら、あとは人ごみ。

数えきれない子供たちのランチ大集合の脇で、カップラーメンを食べて、コーヒー飲みながら手作りフルーツケーキを食べました。

その後男体山に登って、そのままメイン通りだけど、子供は決して下山しないコースをさくさく下りて、筑波温泉に浸って帰りました。

途中の下妻市で「やはらかとんかつ」を売りにしている萬来さんで相方はひれかつ定食、私はぶりの刺し身定食をがっつりいただいて、家路に着きました。

穴場コース発見の喜びと、人のいない登山ができた満足感。
そして無事に戻れて良かったです(^_-)

本日の写真付きの登山日記はこちら

さいごまでおつきあいくださりありがとうございました。


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