ばんどう通信R6年3月号
こんにちは、坂東です。
店の前の桜が先週までは蕾だったのに急に咲き始めて今8分くらいで驚いています。今年は随分と遅くなりましたが皆さん花見の予定はいかがでしょうか??
出会いと別れ
先日、3月で大学を卒業したスタッフが巣立って行きました。「円満退社」かつ「卒業」まで辞めずに頑張ってくれたスタッフは2017年の名古屋のお店のオープンから数えて3人目。
色々言うと途中で辞めてしまう子が多い中、最後までめげずに着いて来てくれたのはありがたい限りです。
と言うことで盛大な「送別会」を行いました。
また、入れ替わりで新しくスタッフを採用する活動も合わせてしていたのですが、去年は全力で体当たりしていたのでめちゃくちゃ消耗を強いられてしまったのですが今年は割と仕組み化してしまうことでだいぶスムーズに進めることができました。
77名の応募の中から、今年は1名だけの採用、と言うことで続けて貰えるよう環境を整えていこうかと。
社風
今年は採用枠を1〜2名、で考えていたんですがあえて少ない側にすることにしたのは理由があります。
人が少ないのもそれはそれで大変なんですが、新しい人が2人入ってくると「社風」をうまく作り上げていくことができないな、と思ったから。
一昨年は妻と二人でやっていたので特にそんなことを考える必要もなかったのですが、去年からアルバイトスタッフを雇うようになり「教育って大変だな」と散々思い知り。昨年の最も大きな失敗は「(自社にとって)そもそも採用してはいけない人がいる」と言うことをシリアスに認識しきれていなかったと言うことと、それが故に作業というか「オペレーションを成立させるための教育」で手一杯になってしまっていたところがありまして。
色々整理していって、まあその辺は今はクリアになってきてはいるのですが、私としてはもっと先に進みたい。ってことで
サービスとかおもてなしって不定形で「一言伝えれば終わり」じゃないのが難しいんですが、人によっては「ひとこと言えば100わかる人・伝わる人」もいます。ただ、そういう人って割とレアで「そうじゃない人にどう伝えるか?」を考えた時にノンバーバルな伝達が重要と思い「社内の当たり前」をしれっと更新しよう、と。
その一環でまずは最近スタッフとの雑談や業務上の会話の90%以上を「料理・ドリンク・ペアリングの成否」についてしかしない、という切り替えを意図して行いました。ちなみにこれ、安易に噛み砕かいた言い方をしたりせず「料理人仲間と話してる時と同じくらいのテンション」で話してます。「飲食店としてのオペレーション」については「できて当たり前だよね」という空気感を作るために、ですね。
上記の目論見については概ね成功しており、多分新人が入ってきてもしれっと「あ、これがこの店のあたり前なんだ」と無意識に刷り込むことができると思うのですが、次のステップで「ホスピタリティについての当たり前」を更新したい。
そのための「当たり前」ができてない状態で新人スタッフの比率が大きくなってしまうと「当たり前」の形成に支障が出るかもしれない、ということで最低限の採用に。
もう一人の追加は「どうしても忙しくて人が足りない」とか「当たり前の水準が十分に更新されたね」というタイミングでまた改めて行えばいいかな、と。
なんてことを考えながら仕事しています。
「炊飯」の更新
一昨年に「完成させた」と思っていた炊飯ですが最近「もっと美味しい方法あるのでは?」と思い立ち色々模索してたところアップデートすることができました。
特注で作ってもらった焼き台「ヒノカグツチ」で薪で炊いたら美味いんじゃ?という思惑です。薪の高火力に耐えるべく、炊飯鍋も南武鉄製の品を取り寄せ。
女神のほほえみって甘みの少ない米だと思ってましたが「めちゃくちゃ甘い」炊き上がりに。薪を使って炊くとこんなに変わるんだ、と我ながら衝撃を受けています。
理論値と官能値のズレ
そもそも薪でご飯を炊こうと思ったきっかけなのですが。
先月教わったお話で「理論値と官能値がズレるという研究結果がある」というお話。感覚として、私にもありました。
低温調理によって完璧なタンパク変性を経た火入れをした肉よりも、薪や炭のような「絶対に完璧に焼けない熱源」で「完璧に焼こう」と努力して焼いた肉のほうが圧倒的に美味い。
これが、ただの感覚とか勘違いでなく、薬の形状の研究として存在しているんだとか。
人間の嚥下機能を研究して「理論上人類が最も飲みやすい形の錠剤」を開発したところ、実際にいろんな人に飲んでもらいアンケートをとると「理想の錠剤じゃない形が一番飲みやすい」という分布になる、と。それどころか「理想の錠剤」を飲みやすいと答える人はほとんどおらず、でも何度研究しても理論的には「理想の錠剤」が一番飲みやすいはずである、という結果自体は変わらない。
なので「理論値と人が感じる官能値の間には必ずズレが生じる」という結果らしいのです。
その話を聞いて以降、今まで以上に実際にテイスティングすることを重要視することにした次第です。
国産 仔羊
かねてより扱いたいと思っていた国産の仔羊。個人的に外食を大好きになった理由とも言える食材の一つです。それを「和食っぽくないから」という理由で扱わないのも勿体無いな、と思い。
ツテを頼り国産仔羊をなんとか安定的に仕入れさせていただけることとなりました。
国産の食用子羊はめちゃくちゃ数が少なく、国産子羊全て合わせてもニュージーランドの羊飼いが1人で飼ってる羊の数より少ないんだとか。
今時期はホゲットともうしましてラムより大きくマトンより小さい、風味も優しく旨みが濃い個体が多いため、そちらを使わせて頂こうかと。
せっかくなのでしっかりと「和」に仕立てようかと思っています。4〜5月くらいお出しできると思うのでどうぞお楽しみに!!
肉ばんどう
毎年恒例の肉づくしの季節がやって参りました。
今年は和牛だけでなく先のホゲットなんかも合わせて色々楽しんで頂こうかな、と思っております。ご都合つきましたらご連絡ください!
肉ばんどう
税込¥29,000
お時間ご都合でご指定ください
4月
19(金)20(土)
22(月)23(火) 25(木)26(金)
です。よろしくお願いします!
終わりに
明日は息子のハーフバースデー。半年を期に離乳食を始めようかと思っております。
ということで来月号は離乳食レポートになる・・・かも?
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
坂東
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