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貧困とは何か?

「貯蓄ゼロ世帯調査」。アベノミクスでそれは改善されたとされている。が、実態は調査方法を変更し、仮に次の家賃と電気代等を支払えばゼロになる様な世帯をもゼロとはしていないというトリックらしい。

推測では全世帯の80%近くが「貯蓄ゼロ世帯」。何とも恐ろしい話だ。

ところが巷では、新車やほぼ新車に近い自動車が街を走り、地方でも新建材の真新しい家がどんどん経っている。いったい彼らは富裕層なのか? 貯蓄ゼロ世帯は何処にいるのだろう?

以前、仕事で農家を集中的に廻ったことがある。日本の農家の平均年収は、300万円台である。これは、理容師やタクシー運転手、副業を持たない僧侶・神職のそれに近い。全世帯の16.5%と言われる貧困層よりは高いが、年収中央値よりは低い。

農家の場合はほぼ家賃は発生しないだろうし食糧費もタダに近いから、生活は厳しくは無い。が、私の取材した地域ではほぼ全ての農家が年齢60代以上で、平均2千万円もの農機具ローンを組まされていた。

農機具など、地域の農家が共同で保有し交互に使えば良いものの、農家の体質としてそれを受け入れられない様だし、農協もそれを勧めないだろう。ひとつのローンが完済すればまた新たな農機具を勧められる。こうして一生、ローンが組まれ続ける。死んだり廃業すれば家や農地の資産価値はゼロに等しいから、販売された農機具を没収されて終わりだろう。

話を戻す。一説では、80%にも到達すると言われている「貯蓄ゼロ世帯」が何故、新車を持ち新築の家に住めるのか? 私は、農家の実態とほぼ同じではないかと、考えている。

図:赤線筆者

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