イルカ・クジラ学まとめ3

「イルカ・クジラ学 村山司・中原史生・森恭一編著」を読んで気になった点をまとめる。なお、本ノートは「第3部:イルカ・クジラの体を探る」のみに範囲を絞る。

第7章:化石が物語る鯨類の進化と多様性

祖先のアンブロセタス!昔のクジラはムカシクジラ!!!

珪藻土:藻類の一種である珪藻(植物プランクトン)の殻の化石よりなる堆積物

第8章:イルカの体に秘められた仕組みの妙

イルカたちの適応戦略

鯨類は、哺乳類として水中に適応するために鼻の穴を徐々にずり上げ鼻の下を伸ばしていく進化を遂げた。また、ミオグロビンを体内に豊富に持ち、深くて爆発的な呼吸法を取り入れた。陸上哺乳類では1回の呼吸で肺の中の10 ~ 15%の空気が入れ替わるが、鯨類では80 ~ 90%の空気が入れ替わり換気率が非常に高い。横隔膜が発達していること、胸郭の可動性が大きいことが関係していると考えられており、また、肺自体に注目すると肺胞管には小さな括約筋(輪状の筋肉、バルブのような役割をすると考えられる)があり、ガス交換の効率を高める機能があるのではと考えられている。

現生のハクジラ類には嗅覚はない。これは脳に嗅球がないことからも明らかである。

ヒトは(その他陸生哺乳類含む)水中ではどの方向から音が伝わってきているのかを識別できない。これは水の振動として伝わってきた音が左右の鼓膜を揺らして内耳に伝わるのではなく、頭蓋骨と一緒に頭蓋骨の中に埋まっている内耳をも振るわせてしまうために、音の左右差を認識できないからである。

つまり、水中で音の方向を識別するには内耳を内包する耳の骨を頭蓋骨から切り離す必要がある。現生のハクジラ類では耳の骨は厚みのあるクッション代わりの結合組織で頭骨とつながっているに過ぎない。そして左右の耳に届く音の差を認識して音の方向を認知しているのである。この構造は自身の出す高周波ホイッスル音を脳や内耳に直接伝えないようにする役割も持っていると考えられている。

これらの特徴的な耳の構造から、化石からでもクジラの化石だ!と認識することもできるのである!

背ビレは泳ぐ際のバランサー(横揺れ防止)のほかにラジエーター(冷却機構)としての役割もあると考えられている。

なぜセミイルカ類はなぜ背びれないのかしら、遊泳速度・旋回性に差異はあるのか?

イルカの吸引摂餌について

イルカ類の気道は食道と完全に分離しているので、息を吸っても口から水や空気を吸い込むことはできない。じゃあどうやってものを吸い込んでるかって???

イルカ類の舌骨は陸生哺乳類のそれと比較すると非常に大きく幅広い。舌骨とは舌や下顎を動かす筋肉群が付着する骨格であるが、それがとても大きいということは舌骨に付着する筋肉の量が多いことを示している。イルカたちがそれらの強大な筋肉を収縮させて舌骨を傾斜させることによって、舌根部にあたる口腔底を一気に引き下げて口腔内の容量を瞬時に増して水と一緒に餌も口腔内に吸い込み、その後海水をできるだけ排除して餌だけを飲み込むという仕組み。文章だと良く分からないので画像参照。

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