イルカ・クジラ学まとめ4

「イルカ・クジラ学 村山司・中原史生・森恭一編著」を読んで気になった点をまとめる。なお、本ノートは「第4部:イルカ・クジラの数を数える」「第5部:イルカ・クジラの最新学」のみに範囲を絞る。

第9章:ハンドウイルカの長期観察に挑む

日本では毎年1000頭の漁獲枠が与えられている。これが多いか少ないかはなぞ。和歌山の太地町がThe coveで取り上げられ有名だが、長崎県壱岐でも漁業の対象となっている。

イルカウォッチングが盛んになり船が増えると、イルカの潜水時間が伸びることが確認された。なんらかの規制が必要となるだろう。

知床のシャチは大丈夫かしら。

第10章:クジラの数を数える

ライントランセクト法

観察者(定速度)より距離w内の個体を発見できるとする。距離L移動したときに発見した個体数がnのとき、有効に探索した面積内での密度は D = n/2Lwとなる。よって、面積Aのその調査海域内での個体数Nは N = A*Dと推定される。実際は見逃し係数などなど考慮!

ザトウクジラの個体数は増加傾向。

第11章:DNAから探る鯨類の群れ

DNAには細胞の核に存在する核DNAのほかに、ミトコンドリアに存在するミトコンドリアDNA(mtDNA)が存在する。核DNAは個体識別に使用されるのに対して、mtDNAは母系遺伝のみのためその塩基配列によって近縁な集団間や種間の違いを比較することができ系統分類や分岐年代の推定などに使用されている。

最近では、mtDNAに代わりレトロポゾンという細胞の中で複製を作り染色体に入り込んでいく遺伝子が脚光を浴びた。これはいったん染色体に入り込むと、抜け出ることなく子孫に伝わっていく遺伝子で、このレトロポゾンが入り込んだ位置を調べることで共通祖先をもつかどうかがわかるのである!

このレトロポゾンにより系統樹を見直したところ、クジラ類は遺伝子的にはカバに一番近いことが判明した。(なんとなく分かる。。。)

また、これによりムカシクジラの祖先がメソニクソンという動物であるという主流の考え方が揺らいできた。なぜなら、現在の偶蹄目(カバ・ウシetc)とメソニクソンの化石の形状には決定的な違いがあり、偶蹄目とクジラ目が共通の祖先をもつという結果に矛盾が生じてしまうからである。どのような違いなのか記載がなく、なんとも言い難いが祖先は共通なのでは。

生殖形態が非常に似ていると読んだし、目の構造からも有蹄類が一番近いのでしょう?メソニクソンではない別種が共通祖先?

ムカシトカゲ:ニュージーランドに生息する三つ目のトカゲ。100歳以上生きる。頭頂部にある三つ目には視力はない、UV感知かなにかと考えられている。

第12章:ミンククジラの体外受精に挑む

この章はあまり興味が湧かなかったが、クジラ類の双子率はヒト(日本の統計)の1%とほぼ同じか少し低い。クジラ側のサンプル数は不明。

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