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磐梯山ジオパーク協議会 蓮岡専門員にインタビュー

2024年5月30日

 磐梯町の小中学校の、主に「総合的な学習の時間」でお世話になっている、磐梯山ジオパーク協議会の事務局及び専門員をされている蓮岡真(はすおかまこと)さんにジオパーク学習や、ジオパーク学習で目指すものについて、直接お話を伺いました。

LAC会津磐梯。ここでお話を伺いました。

本川:「ジオパーク学習」とは?
蓮岡:ジオパーク学習とは、『社会の持続可能な発展を通じて、地域の「モ  ノ・コト(地域遺産)」を守り、未来に引き継ぐことを目指すプログラム』を指します。それは、
(1)人が創り出した伝統・歴史・文化・産業
(2)地球が造り出した自然環境・地形(景色)・地層(成り立ち)
これらを次世代に残していくために、ジオパークというプログラムが誕生しています。それらを目的とした活動として、ジオパーク活動があり、それは環境保護保全、研究教育、ツーリズム、地域づくりにつながっていくことをイメージしています。
また、
(3)自然災害とも向き合い、どう生き抜いていくかを考える「防災学習」にも力を入れています。


本川:これまで、磐梯町の学校でジオパーク学習を積み重ねてこられて感じるよさは、どんなことですか?
蓮岡:1つは、学校の「総合的な学習の時間」で目指すものとジオパーク学 習の目的が大きく重なるという点です。学校と重なりが大きい。
2つめは、地域素材が豊かであること。
3つめは地元に詳しいガイドさんがいる。
ということかと思います。


本川:フィールドでのガイドさんの役割とはなんでしょう?
蓮岡:私たちは、「インタープリター(自然解説員)」と考えています。人と自然を繋ぐ架け橋となる存在といいましょうか。自然の中での「ファシリテーター×ガイド」みたいな。自然は言葉を持ちませんが、自ずと語りかけてくる「もの、こと」を自然に変わって代弁する、そんなことも役割の一つです。担任の先生との立ち位置や役割分担をしながら、子どもたちにとって自然体験活動が有意義なものになるように手助けしたいですね。


本川:最後に、ジオパーク学習で目指していきたいことについてお話ください。
蓮岡:まず、学習の流れとしての「事前ーフィールドー事後」のプロセス、サイルを大切にしたいです。その中で、子どもたちと我々やガイドさんたちと楽しい会話が展開されるといいな、と思います。やがて、子どもたちが大きくなっても、ジオパーク学習での体験やエピソードを思い出して語れたりするとうれしいですね。火山、水、仏教、歴史、食、祭りなどの文化…。自分が生まれ育った地域に誇りが持て、自分の言葉で伝えられる子どもになってくれるとうれしいです。
いずれにしても、子どもたちが地域の自然や文化に触れながら、人と出会い、よい関係づくりを育んでもらえるといいなと思います。子どもたちが「地域をたたえ、地球につながる喜び」を感じてくれるとうれしいです。


本川:今日は長い時間、ありがとうございました。