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710日目 背伸びしたって

2023年 10月 14日 (土)

●「背伸びしたって」見ました。

まず思ったのは、中須さん……だった。
あまりにちゃんとしたラブソングすぎて、あのかすみんがめちゃくちゃ大人の女性に見えて、そんな顔もできるのかと大層驚かされたものだ。自分がアイドルである自覚をあれだけ持ち続けている彼女がこんなにガチの恋愛ソングを作ってくるのかと言う驚きこそあったが、彼女であればこの曲を聴いた観客全員に、これは俺との関係のことを歌っているんだな、と錯覚させることくらいなら可能なのかもしれない。まあかすみんよりも背丈があることが求められはするが、そこは小柄な彼女の強みを存分に生かしているのだろう。

しかし本当にすごい曲だ、かすみんが絶えず可愛くあろうとするその姿勢の理由が、どこかのたった一人の誰かによって規程されてしまうんだから。
髪を伸ばすことも、オシャレをすることも、可愛い私でいることも、すべてがあなたのためなのだ。短い髪が肩にかかるころ、なんてかすみんの口から出てくるとは思わなかった。本人からしてみれば理想の大人の女性像をただ歌っているだけなのかもしれないが、あなたのためなら髪型を変えることさえ厭わないのかという軽いショックがあった。
想い人のために四六時中完璧レディーであろうとして、背伸びをしたって、多少の無理は覚悟した上でも理想の恋愛がしたいと、彼女にここまで言わせしめる相手というのはなんと幸せ者だろうか。自分を応援してくれる人たちのためと、大勢に向いていた矢印がたった一人の人間に集約されてしまったら、それはもうとんでもないことだろう。
もちろんアイドルとして大勢に向けて可愛い自分を見せている彼女は言うまでもなく魅力的だが、この曲で歌われているような、たった一人の想い人のためだけに努力を惜しまない彼女の姿もまた、想像もできないくらいに魅力的なんだろうなと思う。
この曲、歌詞に出てくるあなたの部分に自分を当てはめるよりも、自分ではないどこかの誰かを当てはめる方が、かすみんの魅力が伝わってくる気がするんだよな。

そんな中で2番に入り、そしてここで自分は少し救われた。可愛い私でいたいの後、1番ではあなたのためにいつでもと来ていたのが、2番では自分の為でもあるのと続いている。
そうだよなと、やっぱりかすみんはそうであってくれるよなと、こんな面倒くさい奴相手でも目配せをしてくれる彼女はやはり完璧で究極のアイドルだ。

自身の中にあるアイドルとしてのポリシーは忘れずに、しかしパッとしないラブソングでは終わらせず本気のものを見せてくれるこの塩梅、ああ本当に良いな、本当に良い。

昭和歌謡を思わせる曲調もかすみんの声に合っていてとても良かった、MVの大人かすみんも綺麗だった、あと相良さんはやっぱりすごい。これだけかすみんの魅力を浴びることができているのは、曲の手柄ももちろんあるが相良さんの凄さも十二分にあるだろう。背伸びしたってのところの歌い方が箇所ごとに変えられているのが本当に良い。相良さんがかすみんに声を当ててくれて本当に良かった。

そんな最高の曲でしたとさ。
そういえば、序盤に出てくる歌詞で、高いピンヒール履いたらその唇とどくかなと言うものがあったのだが、唇に届いたとして彼女は何をする気なんだろうか。
じゃがりことか食べさせてあげるのかな。

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