505日目 佐倉
2023年 3月 23日 (木)
A「桜の季節ですね~」
B「ほんとだね、ついこの前開花宣言もあったし、お花見も久しぶりに行きたいな」
A「確かに久しぶりですよね、もう一年くらい花見ってしてない気します」
B「桜と言えば、実は日本の桜は全部クローンなんだって」
A「え?なんですかそれ」
B「なんか日本に多いソメイヨシノって言う品種の桜は全部遺伝子が同じなんだって。ニュースで見たんだ」
A「へーそうなんですね。じゃあ桜目線では自分と同じ姿をした木に囲まれてることになるんですかね?」
B「まあクローンだからそうなるだろうね。よく考えるとホラーかも。自分と全く同じ見た目の人間に囲まれるわけだからね」
A「でも植物なんて日の当たり具合とかロケーションとかで形は変わっていきそうですし、遺伝子が同じだったとしても全く同じ姿と言うわけではないんじゃないですかね」
B「確かにそうかもね、自分と同じ姿の人間だって進む人生によっては不良にもホストにもなってた可能性があるわけだからね」
A「そうですよ。俺と見た目が全く同じで高級マンションに住んでいる人もいたかもしれないんです」
B「あれ?でも君って結構いい家住んでるんじゃなかった?」
A「まあ家賃は安くないですけど、分類上で言えば俺の家はアパートなんですよ。だから何かの拍子でマンションに住んでいた自分もいたかもしれないんです」
B「そっちでパラレルを感じちゃったんだね」
A「そういえば。今日は雨が降ってるんで、せっかく咲いた桜も落ちちゃいそうでもったいないですね」
B「そういえば雨で花が落ちちゃうかもっていう心配って、桜に対してしか聞かない気がするね」
A「確かにそうかもですね。なんでなんだろ」
B「やっぱり桜って儚いイメージがあるからね、まあそれが人気な理由でもあるんだろうけど」
A「あー確かに。やっぱりみんな守ってあげたくなるような、庇護欲をそそられるようなものの方が好きなんですよね」
B「そしたら桜の品種改良って、もっと弱く!もっと儚く!みたいな方向に研究されてるのかな?」
A「その可能性はありそうですね。でもそれなんか嫌だなぁ、それって改良って言います?改悪とも言えますよね」
B「まあ本当かどうかはわからないけど、本当だったら人間都合過ぎて嫌だね。研究する方もモチベーション保ちづらそうだなぁ」
A「がんばった結果が弱体化ですからね、そりゃやる気も出ませんよ」
B「まあ人間が守ってあげたくなるようなものを好むのはなかなか変えられることじゃないからね。植物に限らず人でも守ってあげたくなるような子って男女関係なく人気だし」
A「まあそうですよね。僕も正直嫌いではないですもん」
B「そうそう、僕も昔はそういうキャラを演じていた頃があったからね」
A「へぇ、なんか意外ですね。今の姿からは想像もできないです」
B「まあホストって人気商売だから、お客さんに好かれるためには演技も頑張らないといけなかったんだ」
A「え?先輩って昔ホストやってたんですか?」
B「ああ言ってなかったっけ。恥ずかしいからあんまり広めないでね」
A「それはしませんけど……ていうかさっきホストの自分もいたかもしれないみたいなこと言ってたじゃないですか!あれはなんだったんですか!」
B「いやいや、過去の自分と今の自分は違う人間だから」
A「えーなんか納得できないなぁ。もしかして不良だったこともあったりして?」
B「まさかまさか」
A「まあそうですよね、ホストでも十分想像つかないですけど、不良なんてもっと想像つかないですもん」
B「そうそう」
A「まあ桜の話はこれくらいで、雨も降ってますし屋内で暇潰せるところでも行きますか。どこがいいかな」
B「屋内か~、どこがいいだろう」
A「そういえばこの前近所にでかいスーパー銭湯ができてましたよ!サウナも結構良いらしくて行ってみたかったんですよ!どうですか?」
B「あー銭湯かー。あんまり気分じゃないかな」
A「そうですか……できたばかりで結構空いてるらしいんで行くなら今がチャンスなんですけど……どうしてもダメですか?」
B「ごめんね。あんまり得意じゃなくてさ」
A「ならしょうがないですね、適当にファミレスでも行きましょうか」
B「うん」
●本当に酷い一日でした。雨が降っていたのがすべて悪い。
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